国際芸術祭「大地の芸術祭2018」オープニングコンサート開催

新潟県十日町市、津南町の越後妻有は、縄文期から豪雪や河岸段丘などの厳しい環境で文化を作ってきた地域だ。

過疎高齢化が進む日本有数の豪雪地・越後妻有を舞台に、2000年から3年に1度開催されている世界最大級の国際芸術祭が「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」だ。

この国際芸術祭「大地の芸術祭2018」のオープニングコンサートのために、音楽家でありプロデューサーである小林武史が8楽章からなる交響曲を書き下ろした。

安藤裕子、桐嶋ノドカ、Salyu、TOKU、寺岡清高など、個性豊かなアーティストとオーケストラで奏でる小林武史:交響組曲「円奏の彼方(Beyond The Circle)〜based on 柴田南雄「ゆく河の流れは絶えずして」と題したコンサートを、7月28日(土)、29日(日)に開催する。

 

今回のコンサート開催にあたり、小林武史は次のようにコメントする。

「柴田南雄さんの作品をあらためて観て、ある種の“触媒”のようなあり方を感じたんです。柴田南雄という人にはインスピレーションを表現する天才的な表現者の部分もあるのですが、日本/欧米、日本/アジアなどを世界を相対化して考えた音楽の研究者という“知”の側面があった。『ゆく河の~』という彼の作品はそんな彼の音楽を通した“旅”であったと思うんです。鴨長明をはじめとした先人たちが辿った“知の旅”ですね。

僕らの時代はいよいよAI が登場するまでになって、でも一方では東日本大震災のように自然の前ではまだ無力で゙あることを思い知らされたりもする。そんな“無常”という大きなベクトルのなかで鴨長明が感じたこと、
それを継いで柴田南雄さんが作った交響曲。それらを経ていま僕がそのバトンを受け継いでいるんだと思う。」

 

日本の音楽に偉大なる足跡を残した作曲家・柴田南雄の交響曲「ゆく河の流れは絶えずして」をベースにして書き下ろしたのが今回の交響組曲。鴨長明の「方丈記」をもとに、日本の音楽家の音楽体験の回顧を試みるものとして作ったと言う。

今回のコンサートは小林武史の手によって古くより連鎖と続く“無常”と言うベクトルが「現代の交響詩」として生み出される瞬間でもある。

貴重なアーティストたちで奏でる音楽を通した神秘の世界を体験してみたい。

【公演概要】
[正式名称]
小林武史 : 交響組曲 『 円奏の彼方 (Beyond The Circle)』 〜based on 柴田南雄 「ゆく河の流れは絶えずして」〜
[日時]  2018年7月28日(土)・29日(日) 15:00開場 / 16:00開演
[会場] 越後妻有文化ホール・十日町中央公民館 「段十ろう」 (新潟県十日町市本町一丁目上508-2)

[オフィシャルサイト]
http://www.echigo-tsumari.jp/calendar/event_20189728_0729