温泉遺産の砂湯体験を佐賀・古湯温泉の「鶴霊泉」で

2200年の昔、不老長寿の薬を求めて秦の始皇帝に派遣された徐福が発見したという伝説がある佐賀の古湯(ふるゆ)。

今回は古湯の中でも珍しい「砂湯」を持つ温泉旅館「鶴霊泉(かくれいせん)」を紹介しよう。

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古湯温泉は佐賀市に流れる嘉瀬川と貝野川の合流部付近にあり、川沿いに小規模な温泉旅館が並ぶ昔ながらの温泉情緒が残る温泉街。

周囲は豊かな自然に囲まれ静かで穏やかな時が流れる。

温泉街に入ると宿の案内板が立っているので、目当ての宿へは迷うことなく到着。

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部屋に案内されお茶とお菓子をいただき、早速宿自慢の砂湯へと向かう。

ところで「砂湯」と聞くと体に砂をかけての「砂蒸し風呂」のイメージだろうか。

鶴霊泉の砂湯は、岩盤から源泉が湧き出してくる場所に砂を敷き詰めた浴槽。これは温泉遺産にも認定される珍しい温泉だ。

古湯の泉温は38度前後と低く、肌ざわりがぬるぬるとすることから「ぬる湯」として有名である。

砂湯は掛け流しのぬる湯で長時間浸かっていられるが、加温した湯船があるので交互に入るのが効果的。

貸切湯もふたつあり、広々とした湯船からは斉藤茂吉の代表歌碑がある手の込んだ日本庭園が見渡せる。

食事は繊細な美しさと奥深い味わいの会席料理。

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さくらポークや佐賀牛など地の食材をふんだんに使用し、丁寧に作り上げた逸品が並ぶ。

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鶴霊泉の源泉で湯引きをし冷水でしめた名物の鯉の洗いは臭みもなくおいしくいただける。

山あいの温泉宿の定番、鮎の塩焼きも香ばしくおいしいひと品。

鶴霊泉は昨年までに各部屋のリニューアルを行った。

ラグジュアリーな庭園クレインプレミアムルームが3室、別館プレミアムスイートと貴賓室は展望露天風呂付き、純和室、庭園和室、団体和室などそれぞれに趣きのある部屋がそろう。

珍しい「砂湯」体験と美しく滋味あふれる佐賀の会席料理をいただきに古湯温泉「鶴霊泉」を訪れてはいかがだろう。

 

住所:佐賀県佐賀市富士町古湯875番地

電話:0952-58-2021

鶴霊泉 公式サイト:http://kakureisen.com/

 

(小椚萌香)