この秋から始めたい できる男の象徴・万年筆でワンランク上のこだわり文房具ライフを


希少な限定品やヴィンテージなどの高級筆記具を取り扱う「KINGDOM NOTE」松尾さんに、この秋、万年筆デビューをするための選び方や扱い方などを聞いてみた。

そもそも万年筆と言えば、ロマンスグレーの口ひげをたくわえた紳士が持つようなイメージがあり、IGNITE読者の層だと早すぎるデビューではないだろうかと話を振るも、松尾さんは「とんでもないです」と言う。

「例えば、若い方だと、司法試験を受ける方のご購入が多いです。試験では筆記がとても多いそうで、力を入れずに書ける万年筆が向いているんです。皆さん実際に書かれる用紙を持ってきて試し書きをしていかれます。また、小学生くらいのお子さんが、万年筆好きのお父さんと一緒にいらして、お年玉を握りしめて買いに来ることもありますし、女性のお客さまも多いですよ」

確かに、この日、店舗取材に寄ったときも、店内には女性やカップル、中高年の男性、海外(ヨーロッパ系)のご夫妻など、バラエティに富んだお客さんたちが和やかに万年筆を選んだり、カウンターで相談し購入していった。

店内横

万年筆には、大きく分けてふたつのインク吸入タイプがあるという。

「カートリッジインクを差して使うものと、瓶のインクから吸い上げるものがあります」

「初めて使う方だと断然カートリッジタイプが楽ですが、慣れてきて少し万年筆を知ってくると、瓶タイプのほうが人気になりますね。インクの量も多めですし、そもそも万年筆が好きな方は、色の種類も幅広く楽しめるので瓶好きが多いんです」

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なるほど、以前ご紹介した甲殻類シリーズなども、瓶から吸い上げるタイプだ。

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「よかったら書いてみませんか?」という優しい声に促され、さりげなく万年筆デビューを飾ってみた。

力を入れずにすらすらと書けるのが万年筆の一番の特徴だが、普段ボールペンを使っている身だからか、知らず知らずのうちに筆圧が強くなってしまう。

「力を抜いてみてください」という声と同時に肩の力をふっと抜くと、サラサラ、といった感じで筆が進んだ。

頭の中にイメージした文字をなぞる感覚で、とても書きやすい。その上、いつもより丁寧に美しい文字が書けるような気がしてくる。

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「毎日、日記程度だと、1回の吸入で1カ月程度はインクが持ちます。あとはペン先でも書き味がそれぞれ変わります。今お出ししているものは金ですが、金やステンレスなどの素材の違いや、メーカーやモデルによっても違ってきます」

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100本入る万年筆収納ケースを2個買いし、並べて眺め楽しんでいるという上級者もいるらしい……。

次回は売れ筋TOP3、女性にプレゼントすると喜ばれるオシャレセットなど、たっぷりご紹介していきたい。奥が深い万年筆の世界、丹念な作りを知れば知るほど、ただの筆記具とは言い切れないロマンを感じるのだ。