「機を見るに敏」なBMWがMINIにディーゼル投入!【後編】

日本で乗りやすいクルマ作り

世界市場でも好調なBMW&MINIブランドだが、その理由のひとつに“それぞれの市場に合わせたクルマ作り”が挙げられる。

BMWの日本市場への対応は驚くほど早く、そして的確だ。エコカー減税導入時にもいち早く対応し、主力モデルの「3シリーズ」ではドアハンドルを日本向けに改良して全幅を1800mmに抑えたりもしている。これは立体駐車場やマンションの機械式駐車場などの利用を想定したものである。わずか数mmの差であっても、実際に使うユーザーにとっては大きな問題で、それを理由に購入を諦めることも少なからずある。BMWはそのあたりの日本的事情をよく分かっているのだ。

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「MINIクロスオーバー」も、とくに導入時は「こんなに大きいMINIはミニじゃない!」という声が多く聞こえてきたが、ファミリーユース向けのニーズをうまくキャッチし、今では“日本でもっとも売れているMINI”となっている。その「MINIクロスオーバー」も全幅1790mm×全高1550mmと、立体駐車場にしっかり収まるサイズになっている。BMWは時流に乗ることが上手く、スマートでありながら実にしたたかなメーカーだと感じる。

■ディーゼルならではの走りの魅力
さて、今回は「MINIクロスオーバー」のディーゼルモデル、2.0L直噴ターボディーゼルを積む高性能版の「クーパーSD」を箱根のワインディングで試すことができた。

とはいえ、ワインディングに行くまでもなく、駐車場から一般道に出る際にアクセルを踏みこんでいった時からディーゼルの魅力を感じることができた。1750rpmから発生する最大トルクは305Nm。ほんの数cmアクセルを踏みこんだだけで余裕十分のトルクが湧き出てきて、実にスムーズに速度をあげていくのだ。いわゆるターボラグも皆無で、イメージした通りに伸びやかに加速していく。エンジン音も、速度が上がれば上がるほど澄みきっていく感じで気持ちがいい。アイドリングストップ機能が備わらないのは残念だが、ヤボなガラガラ音は巧みに抑えこまれ、ガサツな振動も個人差はあれど気にならないレベル。高速道路ではごく低回転域で速度を維持できるから、ロングドライブでの燃費も期待以上の数値をマークしてくれそうだ。

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乗り心地の良さにも驚いた。そもそもこの「クロスオーバー」はファミリーユース向けということもあって、より趣味性の高い3ドア・ハッチバックのMINIと比べると明らかに乗り心地重視の味付けなのだが、硬質な乗り味になりがちなランフラットタイヤを履いているのがウソのような優しくなめらかな乗り心地を味あわせてくれる。思わずタイヤを確認したほどだ。これなら後席から不満の声が出ることもないと思える。

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ここまでディーゼル推しで紹介してきたが、もちろんガソリンモデルにもメリットはある。ディーゼルエンジンの音は室内にいる限りはよく抑えられているものの、車外で聞こえる音はディーゼルエンジンであることを再確認させられるもの。エンジンフィールも含め、全体的な上質感はガソリンモデルに敵わない部分がある。

とはいえ、もし自分が購入するとしたら迷わずディーゼルモデルを選ぶだろう。また、より安心して冬ドライブを愉しめる4輪駆動モデルは、ディーゼルにのみラインアップされる。いまやディーゼルのイメージは、「パワフル・クリーン・エコノミー」というポジティブなものに一変している。ぜひ一度、ディーラーなどで試乗して確かめてみてほしい。

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