「機を見るに敏」なBMWがMINIにディーゼル投入!【前編】

ついに日本でもMINIの“ゴーカート・フィール”をディーゼルエンジンで味わえる日が来た。先ごろ、4ドアSUVの『MINIクロスオーバー』とその2ドアクーペ版たる『MINIペースマン』に実施された内外装のブラッシュアップに合わせ、MINIブランドとして初めて、ディーゼルエンジン搭載モデルが国内市場に導入されたのだ。

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■MINIブランドとして国内初のディーゼルが登場

欧州では主流のディーゼルエンジンも、日本では“汚い・うるさい”といったネガティブなイメージがつきまとっていたが、ご存じの通り、ガソリン価格の高騰も背景に、新世代のクリーン・ディーゼル・エンジン搭載車の人気がじわじわと高まっている。その牽引役は国産メーカーでは“スカイアクティブ技術”で席巻中のマツダ、そして輸入車メーカーではBMWである。

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BMWは主力モデルの3シリーズをはじめ、5シリーズ、X3、X5にディーゼル搭載モデルを設定している。BMWのペーター・クロンシュナーブル社長によれば、BMW・MINIブランドを合わせた日本でのディーゼルの販売比率は実に3割にまで達しているという。ちなみに他のドイツ・プレミアム勢は、メルセデス・ベンツがEクラス以上の一部、アウディに至っては未だディーゼル搭載車の設定がない。

今回は輸入コンパクトカー初のディーゼル投入ともなり、その意義は決して小さくない。このクラスのディーゼル車は他にマツダの『アクセラ』、そして『デミオ』にラインナップされているが、MINIとはそもそもキャラクターや価格帯が異なるだけに、実質的にはライバル不在の状態といっていいだろう。

■ガソリンモデルとの価格差はすぐに逆転!

持ち味のパワフルさに加え、技術の進歩によってクリーンになったディーゼルエンジンは、税制面やランニングコストのメリットも大きい。

『MINIクロスオーバー』のガソリンモデル『クーパー(6AT・321万円)』とディーゼルモデルの『クーパーD(6AT・341万円)』で実際に比較してみよう。

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プライスボード上での価格差は、上記の通り20万円。だが、『クーパーD』は自動車取得税と重量税が100%免税、自動車税が75%免税となるため、実質的な価格差は約5万円となる。

そして、JC08モード燃費は『クーパー』が14.0km/L、『クーパーD』が16.6km/L。『クーパーD』の方が燃費がいいだけでなく、ハイオクガソリンよりもリッターあたり約30円安い軽油を燃料として使うから、ランニングコストがかなり安くなる。1万5千キロも走れば、約5万円の価格差はすっかり無くなり、その後は走れば走るほど『クーパーD』の方が“お得”となる計算だ。

しかも、ガソリンエンジンでは味わえない、ごく低回転域から発揮する力強いトルクも大きな魅力。ディーゼルエンジンの胸のすく加速を一度でも味わったら、きっとクセになるはずだ。

(後編へつづく)

(zlatan)

MINI Japan