PDCAサイクルを制するものは、ビジネスもトレーニングも制する!?

「トレーニングでもっとも重要なのは目標設定」

前回の記事『パーソナルトレーナーが明かす『経営者ほどトレーニングを求める理由』とは』に続き、今回はPDCAサイクルの重要性について触れます。

※PDCAサイクルとは・・・Plan(計画)-Do(実行)-Check(評価)-Act(改善)を繰り返し行うマネージメントのこと。

運動やトレーニングで成果を出すためには、目標設定と現在の差分を明確にすることが重要です。つまり、なりたい自分の理想像と今の現実の自分の「違い」を知りなさい、ということです。

でも、多くの人が「現実の自分」を見ようとしないで、「大学時代は全国大会に出たことあるから運動なんて簡単」とか「、昔は腹筋なんて六つに割れていたんだからすぐに戻るさ」などと、過去の栄光にすがって、今の自分を客観視できないケースに陥るのです。
2N1_2257_1確かにその過去はあなたの生きてきた足跡かも知れませんが、今もその通りでしょうか。お腹は出て、背中は丸まり、心なしか身長も低くなってませんか?ちょっと階段を駆け上がれば、すぐに息切れやめまいを起こす始末しませんか?

厳しいようですがそれがあなたの現実です。この現実をきちんと受け止めることが、まずはあなたにとってのスタートラインです。この「現実を受け止める」ということは、実はビジネススキルにも大きく関係しているのです。

「トレーニングとビジネスの共通点はPDCAサイクル」

「鈍っている自分」を直視するのは苦しいかもしれません。でも、この状況を冷静に直視するということは、品質管理のための概念、PDCAサイクルと同じなのです。
ある意味、自分の品質管理をする訳ですね。Planを練るには、まず自分がどんな状態であるのか理解し、そこから理想とする自分へのアプローチが始まる。なかなか辛いことかも知れませんが、まずは自分を客観視することから始めましょう。

そのチェック項目をいくつか示します。

(1)身長、体重、体脂肪、腹回りサイズ
(2)腕立て伏せ、腹筋運動、5分間走
(3)1週間の生活パターン 

■PDCAサイクルの回し方

(1)ですが、これは特別な機械を使う必要もありませんし、すぐにも実行できますよね。ただし、たった1回測っただけでは、誤算や日内変動がありますので、最低でも3日間、起床後に測定してください。その時、特別な食事制限は必要ありません。あくまで日ごろの自分のままで測定してください。

次に(2)ですが、これはやや踏ん張りが必要です。腕立て伏せや腹筋運動が正しい姿勢で何回できるか、また全力走5分間で何キロ走り抜くことができるか(これらは関節や心臓にリスクがありますので慎重に行うこと)を測定します。大まかな基準値は以下のとおり。

30代:腕立て伏せ40回以上・ 腹筋40回以上 ・5分間走1500m 
40代: 腕立て伏せ30回以上・ 腹筋30回以上・ 5分間走1200m 
50代: 腕立て伏せ20回以上 ・腹筋20回以上・ 5分間走1000m
※この基準はあくまでパーソナルトレーナーの筆者の考えです。

もしも、あなたがこのレベルに達しない場合、平均より体力が低いと判断できますから、運動・トレーニングをする際は、初歩的なことから慎重に、段階的にプログラムを進める必要があります。逆に、十分満足のいく結果なら、トレーニングプログラムはもう少し本格的なところから始めることになるでしょう。

最後に(3)ですが、これは自分の一週間の行動を客観的に理解するためのものです。起床時間、就寝時間、食事時間と大まかな内容、運動量(移動なども含む)を簡単な表などに落とし込みます。意外に自分のことはわからないもので、実際に書いてみると客観的に自分を見つめなおすことができるはずでしょう。 

以上のことをまずは行い、そして今の自分を把握すれば、次からのステップをスムーズに運ぶことができます。そして何より、もっとも過酷な「己を知る」ということを実践できたあなたは、過去の栄光にしがみつくこともせず、まっすぐ目標に向かって進めるモチベーションを手に入れることができたはずですから。