疾走するジャガー。それがFタイプ・クーペ

先に発売されたコンバーチブルに引き続き、ジャガー『Fタイプ・クーペ』がデビューした。抑揚あるサイドビュー、柔らかな曲面と絞りこまれたハッチゲートがもたらす世界観は、紛れも無く1961年にデビューした往年の名車『Eタイプ』を彷彿させる。

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ジャガーの伝統にならえばフィクス・ヘッド・クーペ(FHC)と呼ぶべきかもしれない。フィクス・ヘッド・クーペとは元来、オープンカーとして開発されたモデルに固定式のルーフを載せたクーペモデルを指すネーミング。そう考えると、コンバーチブルを先に発売したことも十分にうなずける。

『Fタイプ・クーペ』の原型は2011年のフランクフルトで発表されたコンセプトカーの『C-X16』だが、当時、プレス・カンファレンスでデザイン・ディレクターのイアン・カラムは「このモデルはスポーツカーを目指したものであり、GTとは対極にあるものです」と語っていたことを思い出す。完全な2シーターに割り切ったパッケージもそのことを証明するかのようだ。

パワーユニットは3種類。トップレンジの『FタイプRクーペ』には5.0リッターV型8気筒スーパーチャージャー・エンジンを搭載。コンバーチブルに搭載するエンジンよりさらに磨きをかけて最高出力550ps、最大トルク680Nmを発生し、55psのアドバンテージを与えた。

3.0リッターV型6気筒スーパーチャージャー・エンジン搭載車には出力の異なる2種類を用意。『Fタイプ S クーペ』には最高出力380ps、最大トルク460Nmを発生する高性能版を。もっともベーシックな『Fタイプ・クーペ』では最高出力340ps、最大トルク450Nmを発生するエンジンが搭載される。

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トランスミッションは全グレードともに、トルクコンバータを採用した8速AT。ジャガー特有のしなやかなサスペンションには、クラッチ操作を自動で行うセミATよりふさわしい装備かもしれない。

『Fタイプ・クーペ』ではリアに隔壁を設け、コンバーチブルよりさらにボディ剛性を高めた。ジャガー・スポーツの符号はダテじゃない。

ジャガー・ランドローバー・ジャパン