ピカソの芸術をより深く楽しむ講演会。サルバドール・アロ・ゴンサレス氏を迎えて南青山で開催

東京・南青山のヨックモックミュージアムにて、10月29日(火)から「ピカソ・セラミックー『見立て』の芸術」展を開催する。

同展にあわせ、ピカソセラミックの研究者でマラガ大学教授のサルバドール・アロ・ゴンサレス氏をスペインより招聘し、11月2日(土)に、ピカソ芸術研究会とともに講演会を行う。

陶芸技法を逸脱した革新的なピカソのセラミック(焼き物)

セラミックは、粘土を焼いて形を固定させる素材であり、古来より器や調理器具に用いられてきた。ヨックモックミュージアムでは、従来の器としての機能や伝統的様式・技術だけでは捉えられない革新性に注目してもらうことを狙いに、ピカソの焼き物を「セラミック」と呼称している。

20世紀美術を代表する巨匠、パブロ・ピカソの焼き物づくりは、1946年に南フランスの町ヴァローリスを訪れた際、陶芸家ラミエ夫妻との出会いをきっかけに、本格的に取り組むようになった。

同展では、ピカソの焼き物づくりとその背景を紹介しながら、ピカソが生きていた日常の移り変わりと、ピカソの焼き物が日常生活にもたらそうとした革新とを、時代の流れとの関係のなかで描き出す。

ピカソ・セラミックにおける「エディション」制作の意義

そして同展にあわせ、11月2日(土)にサルバドール・アロ・ゴンサレス氏による「ピカソのセラミック作品、“ユニーク”と“エディション”について」と題した講演を実施する。

ピカソの「エディション」とは、ヴァローリスにあるマドゥラ工房で、熟練した職人たちとピカソが協働し創り出した作品のことを指す。お椀や水差し、食器、大皿といった多岐にわたるテーブルウェアが制作された。

ゴンザレス氏により語られる、ピカソのセラミック制作における「エディション」の意義は、ピカソファンだけでなく、美術史に興味がある人には必聴の内容となるだろう。

なお、講演はスペイン語で行われるが、日本語の逐語訳が入り、講演後に質疑応答の時間を設け、講演後19時から館内自由観覧も楽しめる。

版画作品との比較も交えて、ピカソセラミックが美術史上にもたらした意義を知ることは、また一歩深く、ピカソの芸術を楽しむことにつながるだろう。

講演 LAS CERÁMICAS UNICAS Y EDITADAS DE PICASSO「ピカソのセラミック作品、“ユニーク”と“エディション”について」
講師:サルバドール・アロ・ゴンサレス氏
開催日:11月2日(土)
時間:17時~18時10分 ※開場16時30分
会場:ヨックモックミュージアム「カフェ ヴァローリス」
所在地:東京都港区南青山6-15-1
定員:25名 ※先着順
申し込み期間:受付中~10月28日(月)18時
参加費:3,500円 ※入館券付
公式サイト:https://yokumokumuseum.com/3777/

PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000084.000055763.html

(高野晃彰)