この秋訪れたい千利休ゆかりの地。京都「大徳寺」が非公開の茶室などを特別公開中

今年は「茶聖」と呼ばれる千利休の生誕500年にあたる。

京都の大徳寺では、千利休作庭の紅葉の穴場から非公開の茶室まで、通常非公開のゆかりの地が今秋特別公開される。聚光院特別公開は来年3月までだが、11、12月に開かれるイベントもあるため、この秋京都に訪れる予定がある人は要チェックだ。

千利休ゆかりの「大徳寺」

大徳寺は織田信長など戦国大名ゆかりの地。彼らに仕えた千利休や日本美術史上の重要人物の一人、狩野永徳を代表とする狩野派などが活躍した場所でもある。

ここに、ディープな京都を体験する、今秋訪れるべき「利休ゆかりの名所」を一挙に紹介しよう。

茶の世界だけではない千利休の才能

茶道三千家(表千家・裏千家・武者小路千家)の祖であり、侘び茶の大成者として日本文化に多大な影響を与えた茶聖 千利休(1522-1591)。

堺の商家に生まれ、10代で茶の湯を学ぶと瞬く間に才能を開花させ、23歳という若さで茶会を開いたと記録が残る。のちに戦国武将・織田信長や豊臣秀吉の茶頭として仕え、茶の湯文化を京都で発展させる。

千利休の菩提寺「聚光院」特別公開中

現在特別公開中の大徳寺「聚光院」は、千利休の菩提寺(墓があり、葬礼・仏事を営む寺)。2つのお茶室や、千利休が作庭したと伝わる方丈庭園「百積の庭」も拝観可能だ。

重要文化財:閑隠席

重要文化財:閑隠席

重要文化財:枡床席

重要文化財:枡床席

名勝:⽅丈庭園「百積の庭」

名勝:⽅丈庭園「百積の庭」

また、桃山時代の天才絵師・狩野永徳とその父・松栄によって描かれた国宝・聚光院本堂障壁画全46面が、京都国立博物館から“里帰り”し、一般公開されている。

切腹の一因となった場所「金毛閣」

牧谿筆 国宝『観音猿鶴図』など、大徳寺本山に眠る名宝を案内付きでじっくり拝観できる、大徳寺方丈修復事業記念企画「大徳寺 寺宝特別展示茶会」を開催。

国宝:牧谿筆『観音猿鶴図』(観音)

国宝:牧谿筆『観音猿鶴図』(観音)

同企画では、豊臣秀吉の怒りを買い、千利休が切腹となった一因と伝わる重要文化財、三門「金毛閣」も、立入禁止区域から外観を拝観できる。

千利休が作庭した黄梅院

黄梅院は織田信長が創建し、のちに豊臣秀吉が増築するなど戦国大名ゆかりの寺院。千利休が作庭したと言われる「直中庭」があることでも有名。

千利休が茶の世界だけでなく、マルチクリエイターとしての素質が垣間見れる庭のひとつ。

ゆかりの地で思いを馳せ一服できる侘び茶体験

千利休の菩提寺で一服できる特別な1日

「大徳寺聚光院 特別拝観とお茶席」では、さまざまな文化財を拝観した後、日本画家・千住博画伯の障壁画『滝』が納められている書院にて、特別にお茶席を体験できる贅沢な内容だ。

口切のお茶会と碾茶挽き~新茶を祝う 特別茶会〜

こちらは、熟成された抹茶の新茶を味わう特別な茶会。

会場は通常非公開の大徳寺「玉林院」。当日は重要文化財に指定されるお茶室「簑庵(さあん)」「霞床席(かすみどこせき)」も拝観。茶壷の封を切るときの晴れがましさはまた格別だ。

秋にやはり行きたくなるのが京都。全国旅行支援を利用して出かけるのもいいだろう。

聚光院特別公開
期間:〜2023年3月26日(日)
拝観料:2,000円 ※予約優先

大徳寺 寺宝特別展示茶会
開催日:前期 11月12日(土)、13日(日)、14日(月)
後期 11月25日(金)、26日(土)、27日(日)
参加費:23,000円

黄梅院特別公開
期間:~12月11日(日)まで
休止日:10月28日(金)※法務の都合により増える可能性あり
拝観料:800円

大徳寺聚光院 特別拝観とお茶席
開催日:11月5日(土)
参加費:13,500円 ※15名限定
予約:https://kotonarijuku.kyotoshunju.com/experience/297.html

口切のお茶会と碾茶挽き
開催日:11月20日(日)
参加費:68,000円 ※15名限定
予約:https://kotonarijuku.kyotoshunju.com/experience/709.html

(田原昌)

※表示価格は全て税込