エバーブルーテクノロジーズ、全長2mの帆船型ドローン「everblue AST-201」を開発

空を飛ぶ、全長2mの無人帆船型ドローン「everblue AST-201」が登場した。

全長2mクラスの無人帆船型ドローン

風力をダイレクトに動力として利用した帆走の自動化技術を通して、持続可能な社会の実現に貢献するエバーブルーテクノロジーズ。

同社は、これまでに無人調査用「Type-Aプロトタイプ」、100kg以上の貨物積載が可能な無人貨物運搬用「Type-Xプロトタイプ」などを開発してきた。そして今回、これまでの経験から培った無人帆走技術を適用し、本格的な実用モデルである「AST-201」を企画・開発した。

同モデルは、モノハル(単胴船)としたことで復元力を増し、波浪が大きい場合でも沈しにくい構造を採用。また「衝突予防安全装置」という補助システムを搭載することで、周囲の監視・衝突回避を手助けし、操船者の安全確認をサポートする。

操作は同社のオリジナルスマホアプリ「eb-CONNECT」の自動操船機能を使い、目的地をセットするだけと簡単だ。

想定される活用方法とは

実際に、今回の無人帆船型ドローンがどのように使えるのか考えていきたい。

まずは水上・水中撮影だ。防水カメラをAST-201のデッキ上や船底に固定することで、手軽に遠隔から水上や水中を撮影できる。エンジン音がない帆船ならではの静粛性で、これまで撮影できなかった魚群などを捉えることも可能だ。もちろん、魚群の探索活動にも役立つだろう。

さらに風力をダイレクトに推進力にかえる帆船ならではのメリットで、遭難者の捜索や長時間に渡る海洋調査でも役に立つ。

また、夜間の海上見回りにも活躍する。夜間の航行は危険が伴い、特に海況の影響を受けやすい小型舟艇やヨットは基本的に夜間航行ができない。夜間の密漁や不審船の対策が求められる現場でも、人手不足、人件費や燃油代、さらにリスクといった理由で有効な対応ができずにいた。

しかし同モデルならば、無人で遠隔操縦したり、予め設定した航路を自動回遊したりと、これまで難しかった夜間の見回りを安全に行うことができる。

同社は2月14日まで新宿伊勢丹メンズ館にて開催される、三越伊勢丹とbouncyとのコラボ企画「bouncy Store」に参加。AST-201の1/2スケールサンプルモデル(木製)を展示、トライアル販売の先行予約を行う。

「everblue 201」2分の1スケールサンプル木製モデルイメージ画像

長時間運行が可能となり、海上・海中の研究や捜索、漁業を目的とする操縦者にとって負担が少なくなった同モデル。様々な現場でニーズを集めることとなりそうだ。

everblue 201
全高:2.2m
船体重量:32kg
装備重量:40kg
航行距離:5km(沿海)
モーター航行時間:30分
セール航行時間:10時間
巡航速度:5km/h ※海況、風速によって変化
操作方法:iPhone用オリジナルアプリ「eb-CONNECT」
通信エリア:4G/LTEサービスエリア内(沿岸部推奨)
販売希望価格:500万円(税別)
※運送費、サポート、メンテナンス、クラウドサービス利用料は含まず、別途相談。注文生産のため納期まで時間を要する

エバーブルーテクノロジーズ:https://www.everblue.tech/

(IKKI)