ビール大国チェコには、マイクロブルワリーを含めると数え切れないほどの種類のビールがあり、「ビール辞典」が毎年発行されているほど。
そんなチェコを訪れる観光客は、ビールをお目当てにしている人が多い。実際レストランで注文すると、水やコーラよりも安いのだ。
さて、そんなチェコに、ビール好きが歓喜してしまうようなホテルがあるので紹介したい。
場所はチェコの首都・プラハ。カレル橋など、中世の趣がそのまま残された美しい都に「U Medvídků(メドヴィドクー)」という名のレストラン&ホテルがある。創業が1466年ということは、日本では室町時代にあたる。プラハの中でも非常に古い。
ホテル側の扉から入ると、ビアタップのあるバーカウンターのようなレセプションがあった。ビール工場の中を彷彿とさせる銅製のカウンターがとても素敵だ。
チェックインを済ませると、その場でウェルカムドリンクとしてビールが1人1杯振舞われる。こんなおもてなしに、ビール好きの心が躍る。
さて、部屋はこのホテルに数部屋しかない特別な部屋を予約している。それが、「ビール風呂付きルーム」だ。
チェコには「ビール風呂」に入れるスパはいくつか出てきているが、このように個人で楽しめるビール風呂は見たことがなかった。
部屋に入ると、綺麗な銅のバスタブが目に入る。そこに蛇口が2つ。水とお湯と、そして3つめにビールタップが付いているではないか!
0.3リッターのビールジョッキが置いてあったので、試しにタップをいじってみるとちゃんとビールが出た。
さっそくビールの入浴剤を入れ、お風呂に浸かりながらビールを注いで堪能。温泉で日本酒を飲むようなものかもしれないが、自分でビールを注ぐのはなんとも楽しいものである。(※風呂にビールを注ぐと、皮膚による摂取は経口よりも酔うので要注意)
アメニティもビールシャンプーやらビール石鹸やらで、とにかくビール尽し。チェコ人でも驚くほどビールだらけの部屋だった。
チェコのビールにどっぷりと浸かるなら、まさにこのホテルがオススメである。
※2020年10月現在、欧州各国では出入国の制限をしています。旅行の際は必ずご確認を。
(田原昌)