光と伝統工芸を再解釈した照明。Triple Bottom Line社がイタリア・ミラノデザインウィーク2024で新作を発表

デザインスタジオ・Triple Bottom Line社は、イタリア・ミラノで開催されるミラノデザインウィーク2024において、イゾラデザインギャラリー内で新作ライトを展示することが決まった。

COVID-19の影響による延期を経て、過去最大規模のショーケースとして復活する同ギャラリーで発表するのは、光と伝統工芸を再解釈した照明「VISCUM(ヴィスクム)」と「Potit(ポチ)」だ。

ミラノデザインウィークで新作ライト2点を展示

ミラノデザインウィークでは毎年4月、国際家具見本市「ミラノサローネ」を始め、市内各地でさまざまな展示が行われる。今回Triple Bottom Line社は、主要拠点として設立されたイゾラ地区を会場としたイゾラデザインギャラリーに出展する。

意匠表現としての持続可能性をみせる「VISCUM」

卓上照明「VISCUM」は、視覚的に“光”の最小単位とはどのようなものかを追求したプロダクト。単一素材でのミニマルな外装・LEDなどの内部部品を最小限の構成とすることで環境配慮を前面にうたうことなく、特殊な素材を用いることなく、本来の意味での持続可能性を実現している。

“光”を形取るうえで奇抜な外観や込み入った装飾に頼るのではなく、周りの空間にいかに自然に溶け込むことができるかを目指した。

空間に溶け込み、存在を主張せず隣に寄り添い必要な時には灯りを提供する、“光”の繊細さをいかに精緻に表現できるかに焦点を当てている。

銅の持つ表現・着色法を再現した「Potit」

吊り下げ照明「Potit」は、従来は手作業によって生み出される銅素材の器の表現や着色法を、コンピュテーショナルデザインによって再創造したプロダクト。

再利用可能な銅を含む樹脂を用いて3Dプリントされたシェードに、独自に生み出した着色法で酸化膜を形成し、あたかも長年受け継がれた金属染色技術のような発色を再現している。

これまでプロダクトの制作において工芸と工業は対極に位置しており互いに不可侵であると考えられてきた。しかし、最新のデザインプロセスを用いて工芸の見えざる手ざわりやテクスチャーを再現することができれば、伝統をより身近に、現代性をより深掘りすることができると考え、Potitに辿り着いた。

Triple Bottom Line社が創りだす照明

Triple Bottom Line社は、これまでにミラノデザインウィークにおいてデザインギャラリー「Spazio Rossana Orlandi(スパツィオ・ロッサーナ・オルランディ)」で、“Trans Nature”・“自然”から着想を得て自然界に存在するさまざまな変数をデザインに落とし込んだプロジェクト「EAU」「Botanical Drip」を発表。

代表の柳澤郷司氏が織りなすコンピュテーショナルデザインによって、光と影による物語が作品の1つ1つに映しだされている。

“光”と“伝統工芸”が調和するアートのような照明は、国境を超えて一目置かれそうだ。

MDW2024 出展概要
開催期間:4月16日(火)~4月21日(日)
開催場所:Isola Design Gallery(イゾラデザインギャラリー)
展示区分:Collective
Webサイト:https://isola.design/event.php?eventGK=RMRRZC8A

Triple Bottom Line社:http://triplebottomline.cc/

PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000091491.html

(hachi)