オルゴールやオートマタなどを多数展示する「永守コレクションギャラリー」が、3月7日(火)、京都府向日市にオープンする。
同ギャラリーは、世界的に価値の高い作品を多数収蔵するとともに、オルゴールやオートマタの「音色」と「カラクリ」に没入できる体験型ギャラリーとしても注目される。
作品の世界に没入できる「永守コレクションギャラリー」
同ギャラリーは、シリンダーオルゴール52点、ディスクオルゴール71点、オートマタ(自動カラクリ人形)92点など音楽史・美術史上希少なコレクションを347点収蔵する。
また、作品を展示するだけではなく、自動演奏楽器の歴史に残る100年以上前に作られたオルゴールやオートマタの「音色」と「カラクリ」に没入できる、体験型施設でもある。
同ギャラリーで最も特徴的な「鑑賞ラウンジ」。ここでは、世界的な価値を有するバラエティに富んだコレクションをコンサート形式で楽しめる。
その他、ホログラムによる、カラクリ人形の演出展示が楽しめる「オートマタの世界」。伝統工芸とのコラボレーションや、最先端技術を駆使した作品を紹介する「オルゴールショーケース」もある。
また「マイスター工房」では、オルゴールエンジニアが、アンティークオルゴールを修復する様子を間近で見学することが可能だ。
同ギャラリーの貴重な作品を収める「収蔵室」は、365日24時間空調管理が行われ、通常は見ることができないコレクションをガラス越しに鑑賞できる。「収蔵室前展示」では、オルゴールの歴史が紹介されているので、それを参考に鑑賞することで、さらなる興味と理解が深まるだろう。
多目的ルームでは、随時ワークショップを開催。館長や職員が、オルゴールやオートマタの仕組みを、機構の模型を使って解説する。参加者は、実際に模型を動かし、その仕組みを体験できるのがうれしい。
「永守コレクションギャラリー」の主なコレクション
同ギャラリーの代表的なコレクションを紹介しよう。
ワルツを踊る少女
つま先立ちをした少女が、左脚を優雅に動かしながら、台の上でゆっくりと回転する。数多くの作品を発表したフランスのオートマタ工房、ルレ・エ・ドゥカン社製。ビスクヘッドはSFBJ(フランス人形&玩具製造協会)の作品。
椅子の曲芸をするピエロ
オートマタ研究者でもあるChristian Bailly氏の作品。ピエロが椅子を用いて見事な曲芸を披露する。一連のダイナミックな動作は音楽とシンクロし、見る者を魅了する。
アラード&サンドス オーケストラル・ボックス No.4755
スイス製のシリンダーオルゴール。オルゴールの櫛歯(くしば)の他にベル、ドラム、カスタネット、オルガンが組み込まれた「オーケストラル・ボックス」と呼ばれる機種。専用台には交換用のシリンダーが入れられており、多くの曲を楽しむことができる。
カリオペ(ベル付き)No.108G
ドイツ三大オルゴールメーカーの一つ、カリオペ社製の卓上型ディスクオルゴール。同社のオルゴールにはベルが組み込まれたものが多く、こちらの機種も櫛歯の音色と共演する10個のベルの伴奏が美しい。
貴重なオルゴール・オートマタの世界を体感できる同ギャラリーで、多くの作品に触れ、その歴史や技術を学びたい。
永守コレクションギャラリー
オープン日:3月7日(火)
所在地:京都府向日市森本町東ノ口1-1 ニデックパーク
開館日:月・火・木・金 ※祝祭日・GW・お盆・年末年始は休館。その他、展示替えなどに伴う臨時休館あり
開館時間:10時~16時
入館料:無料
予約方法:完全予約制で、ホームページの来館予約から予約を行う。複数日の予約は不可
公式サイト:https://nagamori-gallery.org/
(高野晃彰)