“フォン(だし)”にこだわった料理の数々を体感したい。
「HOTEL THE MITSUI KYOTO(ホテル ザ ミツイ キョウト)」が、ホテル内シグネチャーレストラン「都季(トキ)」のコンセプトを刷新。イノベーティブ京都フレンチのレストランとして10月1日(土)よりリニューアルオープンする。
「フォン」をコンセプトに据えてリニューアル
「都季」の料理の新たなコンセプトは「フォン(=だし)」。そのインスピレーションは、京都の「水」からもたらされている。京都は水の都と呼ばれ、西側には桂川、東側には鴨川が流れ、さらには地下水も豊富だ。豊かな水が、都を発展させたと言っても過言ではないだろう。
そして、「出汁(だし)」が中心となる京料理の発展も、硬度が低く旨味を出しやすい京都の地下水によるところが大きいと考えられている。
「都季」の料理長を務める浅野シェフはパリでの日々で、フランス料理の根幹を支える「フォン」を大切に料理技術を磨いてきた。その浅野シェフが京都の軟水でつくるフォンを中心とし、京都の豊かな食材を主役に据えた革新的なフレンチが新たな「都季」の料理だ。
シグネチャーとなる新コースは、コースの随所で使用される野菜だし、魚だし、肉(鴨)だしを感じてもらうスナック3種から始まる12品のコース。
モダンに完成された皿は、京都らしさはもちろん、浅野シェフが身につけてきたフレンチの伝統的な料理の技術の奥行きを感じられるものになっている。
季節を感じられる食材から、そのエッセンスを「フォン」や「ソース」に凝縮。今、食してもらいたい旬の美味しさを、食感の違いなどの工夫も凝らしてひとつひとつの皿に昇華させている。
サステナブルな料理を新開発
リニューアルに際して新たに取り組んだのは、環境に配慮したレストランの運営だ。食材の調達に関しては、フードマイレージを意識。京都近郊の生産者を訪れ、旬を感じる新鮮な素材を継続的に供給してもらえる協働関係を構築した。
また、今回のコースのシグネチャーディッシュとして登場するフォアグラの料理には、京都の向井酒造の伊根満開の酒粕を採用した。日本酒の製造過程で生まれる酒粕が大量に廃棄されている現状から、廃棄量を減らしていくため、酒粕を熟成させて生まれた「なれ」をソースに見立て、フォアグラの田楽をつくりあげた。
デザートの鉋屑(かんなくず)のブランマンジェも、ただ廃棄される檜の木屑から香りを抽出してブランマンジェにアップサイクルさせたものだ。
リニューアル後はカウンターの目の前が厨房となり、カウンター席の利用者は料理のライブ感も楽しめる。進化を続けるシグネチャーレストラン「都季」の生まれ変わった姿に期待したい。
シグネチャーレストラン「都季」
所在地:京都府京都市中京区油小路通二条下る二条油小路町284
営業時間:17:30〜20:30(L.O.)
コース詳細:シグネチャーコース 12品/18,500円(税・サービス料込)
公式WEBページ:https://www.hotelthemitsui.com/ja/kyoto/restaurants-bar/toki/
(IKKI)