北信州野沢温泉村に、美味しい山の水や信州の素材を使った使ったウイスキーやクラフトジンの製造を行う「野沢温泉蒸溜所」が建設される。製造開始は2022年内を予定。野沢温泉村の中に蒸溜所ができるのは初めてのことだ。
蒸溜責任者として、スコットランド・キャンベルタウンの出身のISAMU YONEDA(サム ヨネダ)氏が参加することが決まっている。
世界に認められるジンやウイスキーを目指して
「野沢温泉蒸留所」は、野沢温泉村に魅せられたオーストラリアからの移住者が中心となって立ち上げた蒸留所だ。昨年9月10日(金)に地鎮祭を執り行っている。
野沢温泉ならではの蒸留所
代表取締役社長のデビッド・エルスワース氏は、野沢温泉村に魅せられた一人。豊かな大自然が生み出す透き通った美味しい湧き水と山で採れる豊富な植物を活かし、クオリティーの高いクラフトジンやウイスキーができないか長年考えていた。
そうした夢の計画を地元の人たちに話すうち、徐々に仲間が集まり、野沢温泉ならではのスピリットや情熱を活かすパートナーシップが誕生したという。
野沢温泉の魅力に触れられる場所に
同蒸留所は、かつて山菜や野沢菜を保存するために使われていた歴史的な缶詰工場をリノベーションした施設。新たな四季を通じた観光の目的地、「野沢温泉蒸留所」として生まれ変わった。
村のアイコン的存在の大湯温泉から徒歩わずか数分で、蒸留所ツアー、テイスティング、クラフトバー、マスタークラス、ギフトショップなどが総合的に楽しめる施設になる。
また、既存の来村者に加え、四季を通じた村の観光を創ることで、野沢温泉村のさらなる魅力を発信し、通年雇用を生むことを目的としている。
野沢温泉蒸溜所に参加する蒸溜責任者の思い
蒸溜責任者として同蒸留所に参加するYONEDA氏は、日本人とスコットランド人の両親をもち、スコットランド側の家族はウイスキーの名産地であるキャンベルタウンの出身だ。
そんなYONEDA氏が見た野沢温泉蒸溜所のチームは、世界で盛り上がりを見せるクラフトジンやウイスキーマーケットの中で、野沢温泉村の美味しい水を活かして新たな価値を付加できるようなチームだ。
チームは蒸溜所計画の初期段階から、野沢温泉村の魅力を表現するための製造方法や、革新的な製造に向けての構想について取り組んでいた。ジャパニーズウイスキーの蒸溜所ではまだ使っていないマッシュフィルターや、これとセットになるハンマーミルなど、日本のウイスキー製造工程ではとても珍しい機材の導入も検討しており、既定概念にとらわれない製造プロセスも早くから計画している。
また、村には名水と謳われている湧き水がいくつもあり、蒸留酒にとってもっとも重要な「水」が手に入る。YONEDA氏は、そんな環境なら自分が思い描いていた理想的な蒸溜酒製造が可能となると感じたという。
野沢温泉のクラフトジン、ウイスキーを通して、野沢温泉の大自然が生み出す恵みに触れ、味わってみたい。
野沢温泉蒸留所
所在地:長野県下高井郡野沢温泉村豊郷9394
公式サイト:https://nozawaonsendistillery.jp/
(田原昌)