ポーラ美術館開館20周年記念展にて、新収蔵作品80点を含む約120作品を一挙公開

開館20周年を迎えた箱根・ポーラ美術館が、記念展「モネからリヒターへ―新収蔵作品を中心に」を開催している。同館のコンセプトは「箱根の自然と美術の共生」。箱根旅行を企画中の人は、ゲルハルト・リヒターとクロード・モネの代表作が見られるチャンスだ。

光への強い関心が見られる作品

本企画の主要なテーマは「光」である。「光」をテーマとした現代の美術作品の収集・公開は、印象派の絵画をコレクションの重要な起点のひとつに据えるポーラ美術館にとって大切なミッションだ。

クロード・モネをはじめとする印象派の画家たちは光の表現を追究したが、ゲルハルト・リヒターやケリス・ウィン・エヴァンスなど、現代の作家たちの作品にも、光への強い関心が見られる。

彼らの作品に表れる「光」とは、単に造形的な意味だけではない。現在を照らし出す「光」、あるいは私たちが持続可能な未来へと進むための道標となる「光」という意味をも内包していると言えるだろう。

コロナ禍や緊迫する国際情勢により暗雲が立ち込める現代の状況の中で、作品からほとばしるエネルギーと勢い、そして明るい「光」は、多くの人にとって前進する勇気を与えるきっかけになるのではないだろうか。

本展覧会では、ポーラ美術館のコレクションの「現在(いま)」を紹介するとともに、美術館の未来とコレクションの可能性を探る。

「光」にまつわる作品のラインナップ

本展は、鈴木常司のコレクションと新収蔵作品を組み合わせた第1部と、従来のコレクションには含まれていない、近代と現代を結ぶ作家たちの作品を紹介する第2部で構成されている。

新旧の名品を並べて展示する第1部

第1章 光のなかの女たち

第2章 水の風景、きらめく光

第5章 放たれた光彩

第8章 松本峻介

新収蔵作品の特徴がわかる第2部

第10章 戦後日本の抽象

第11章 物質性の探究

第12章 色彩と抽象

第14章 ハマスホイとリヒター

第16章 杉本博司

第17章 三島喜美代

連休には、ポーラ美術館全館と森の遊歩道を会場とした、同館史上最大級の企画展に足を運んでみてはどうだろうか。現代作家の表現する「現在(いま)の光」にインスパイアされるかもしれない。

ポーラ美術館開館20周年記念展「モネからリヒターへ―新収蔵作品を中心に」
会期: 4月9日(土)~9月6日(火)
会場:ポーラ美術館 展示室1~5、アトリウム ギャラリー、アトリウムロビー、森の遊歩道
出品点数:絵画、版画、彫刻ほか約120点
展覧会特設サイト:https://www.polamuseum.or.jp/sp/monettorichter/

ポーラ美術館
開館時間:午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館⽇:会期中無休 ※悪天候による臨時休館あり
入館料:大人¥1,800(税込)
所在地:神奈川県⾜柄下郡箱根町仙⽯原⼩塚⼭1285
公式サイト:https://www.polamuseum.or.jp/

(MOCA.O)

Photo by Ken KATO