「光」をテーマに、印象派から現代アートまでの名作が集結。
ポーラ美術館は、ポーラ創業家二代目の鈴木常司が収集したコレクションと、近年新収蔵した作品を合わせて紹介する初の超大型展覧会を開催する。
「光」にまつわる作品が数多くラインナップ
「箱根の自然と美術の共生」をコンセプトとするポーラ美術館にとって、「光」は建築や照明デザイン、そしてコレクションの重要なテーマだ。
同展覧会では、移ろう光を絵画に描き留めようとしたモネやルノワールら、19世紀の印象派の画家たちの作品から、シャイン(光=仮象)を表現し続けるゲルハルト・リヒター、光の色そのものを写し撮る作品を展開する杉本博司の作品まで、印象派から現代までの「光」にまつわる作品を数多く紹介する。
全2部構成で作品を展示
同展覧会は、全2部構成で作品を展示する。
第1部では、鈴木常司が収集したコレクションと、これをさらに拡充する新収蔵作品を、テーマや時代、作家ごとに組み合わせて紹介。
鈴木常司のコレクションの中心となる印象派絵画では、女性像(ルノワール、レジェ、ロベール・ドローネー他)、水辺の風景(モネ、ニコラ・ド・スタール他)、静物(セザンヌ、ベン・ニコルソン他)、マティスとフォーヴィスムなどをテーマ別に展示する。
日本の近代洋画は、時代や流派、作家ごとに展示。大正の洋画(岸田劉生、村山槐多など)や日本のフォーヴ(里見勝蔵、佐伯祐三など)、その他にもレオナール・フジタ(藤田嗣治)や松本竣介など、作家ごとに作品を目にできる。
展覧会の第2部では、従来のコレクションには含まれていない、近代と現代を結ぶ作家たちの作品を紹介。とりわけ重要なのは、山口長男、山田正亮らの戦後日本の抽象絵画、ジャン・デュビュッフェ、斎藤義重らマティエール(材質感)を探究した画家たち、そしてモーリス・ルイスやゲルハルト・リヒターら欧米の作家たちによる抽象絵画だ。
その他にもアニッシュ・カプーア、中林忠良など、現在も精力的に活動する多様な作家たちの作品が含まれる。
同展覧会ではコレクションをできるだけ多く並べるため、館内の5つの展示室、アトリウム ギャラリー、ロビー空間、森の遊歩道にいたるまで作品を展示する。ポーラ美術館開館以来、最大規模となる超大型企画だ。
ポーラ美術館のコレクションの「現在(いま)」とともに、美術館の未来とコレクションの可能性を探る同展示会。教養を深める良い機会になるに違いない。
ポーラ美術館開館20周年記念展 モネからリヒターへ ― 新収蔵作品を中心に
会期:4月9日(土)〜9月6日(火)会期中無休
URL:https://www.polamuseum.or.jp/exhibition/20220409c01/
(IKKI)