ワインを利用したサスティナブルな純国産グレープシードオイル、岩手から新登場

ブドウの風味が香る、日本初の純国産グレープシードオイルが完成。ワイン残渣を利用した、サスティナブルな商品だ。

デクノボンズは国産原料のみを使用し、食油を製造販売している会社。ジャパングレープシードオイルは構想から5年、ようやく完成した。

■日本ではじめて、国内で栽培されたブドウを使ったグレープシードオイルが完成
純国産グレープシードオイルは、ワインを搾った後にでるワイン残渣から種を取り出し、その種を熱をかけずにゆっくりと搾る。このオイルは、香りを添加したのではなく、素材が持つ香りそのもののワインが香るオイルだ。

ワイナリーで処分されていたワインの絞り粕を、新鮮なうちに町内の福祉作業所で選別、乾燥し、ゴミの減量にもつながり、地球にも優しく、農業、福祉、食品加工との連携で今までにない価値を作り上げた。

■なぜグレープシードオイルなのか
常にどうしたら感動を与えることができるか、地域に好循環を生み出すことができるか、安定した経営でチャレンジし続けることができるかを考え、そんな中で浮かんだアイデアがグレープシードオイルだった。

きっかけは、岩手県がヤマブドウの生産量日本一という話。

岩手県内で山ぶどうからワインを作っているワイナリーに話を聞くと、ワインの絞り粕は肥料として畑に戻すか、家畜の餌にするくらいで、ほとんどが処理に困っているとのこと。そこで、ゴミをゴミではなく、新たな価値ある資源として世の中に送り出したいと始めた事業だった。

■非加熱、コールドプレスのグレープシードオイル
貴重な種を、どう油にしたらいいか。そこで至った結論が「コールドプレス」だった。

この岩手県が栽培量日本一の山ぶどうで、廃棄されていた資源を使って感動を与えられる、日本初の純国産グレープシードオイルをつくるチャレンジングなプロジェクトとして、コールドプレスの搾油機を導入した。

油が出た瞬間、口に含んだ瞬間、感動が広がった。こんな油は食べたことが無い。この油と同じ房からとれたワインとあわせたら、どんなに美味しい事かと思ったという。

効率は決して良くはない。ブドウから果汁が引かれ、そこから皮が引かれ、種からオイルが得られるが、その量はわずか0.5%ほど。希少なオイルだが、補って余りある豊かな風味がある。ワインの風味がするグレープシードオイル。それは香りを引かず、色も引かない、素材が持つ風味をそのままにボトルに詰め込んだ。

発売開始は2022年のはじめを予定している。2021年産からは複数のワイナリーで出たワイン残渣も受け入れ、年度産、品種、産地ごとに管理した商品を展開予定。カヴェルネソーヴィニヨンのオイル、シャルドネのオイルといった展開を期待したい。

一房のブドウからできるワインとオイル、今までに無かったこの組み合わせは食卓を豊かにしてくれそうだ。

ジャパングレープシードオイル:https://dekunobonz.jp/japangrapeseedoil/

(田原昌)