どこで暮らしても、忘れられないのは地元の味。
■福岡県出身者に特化したサブスク定期便
福岡市中央区に本年2月、糸島野菜の専門店としてオープンした福岡では珍しいキッチン併設型青果店「美味伊都(うまいと)」の新たな挑戦が始まる。
「コロナ禍でなかなか帰省ができない福岡出身者のために何かできないか?」
「福岡が大好きだから故郷を思い出してほしい」
そんな思いで始めるのは、福岡県出身者に特化した、甘い醤油と麦味噌を基本セットにしたサブスクリプションサービス。取り扱うオンラインショップの店名は、「フクオカラバー」だ。
■福岡県民のソウルフード「甘い醤油」
「東京では甘い醤油を買うのも一苦労」
「麦味噌に出会う機会がなかなかない」
など、多くの声を耳にしていた「美味伊都」代表の前川氏は、開業した時点からこのサービスを考えていたそうだ。
福岡県には、日本で最も多い醤油製造元が存在し、その数は100社を超えていると言われる。
関東の醤油と比べると甘いといわれる九州の醤油、その理由は、「砂糖が手に入りやすかった」ことや「食べる魚に合わせて甘くなった」「酒が辛口だからそれに合わせて」など、多くの説がある。
九州で独自の進化を遂げたもののもう一つが「麦味噌」だ。
米が取れにくく、麦の栽培が参加であったことなどから、九州では麦味噌文化が発達していった。福岡で食卓にのぼる味噌汁といえば、もちろん麦味噌であることが多い。
■糸島の「北伊醤油」が協力
サブスクセットは、福岡県糸島市の「北伊醤油」の協力で実現した。
「北伊醤油」は、明治30年創業の歴史ある醤油蔵で、福岡出身者にも馴染み深いラーソーメンのツユにも採用されているほど、地元からの信頼も厚い。
「北伊醤油」のうまくち醤油をベースに、季節によっては出汁パックやポン酢などをセットする。麦味噌は、無添加手作り味噌を提供。
他に、「美味伊都」で取り扱う旬の新鮮野菜や米、糸島市の地元住民から絶大な信頼を寄せられている養鶏場の卵など、使い勝手の良い商品ラインナップになっている。
醤油は150ml、味噌は500gと若干少なめ。1ヶ月で確実に使い切れるくらいの量を試行錯誤を繰り返し決定。フードロス0を目指す「美味伊都」らしい商品設計になった。
地元の醤油と味噌、野菜や卵に加えて、県外ではなかなか見かけない菓子や麺類、野菜など福岡らしい商品が定期便特典として同梱されるとか。
まさに「実家からの仕送り」のような趣だ。
甘い醤油と麦味噌に飢えている福岡県出身者はもちろん、九州の味が好きでたまらないという人も喜びそうなサブスクセットだ。
フクオカラバー
料金:(定期便)3,980円〜(税込)
ECサイト:https://umaitofukuoka.stores.jp
(冨田格)