「テレワーク時の生産性に影響する要因調査アンケート」を実施。最も生産性に影響するのは?

昨今当たり前に行われている「テレワーク」。その生産性に関するアンケートが発表されたので、紹介しよう。

アーデントが運営する「ICTオフィス相談室」では、テレワークを現在している59歳以下のビジネスパーソン205人を対象に「テレワーク時の生産性に影響する要因調査アンケート」を実施しまとめた。

■テレワークで生産性がどう変わったか?

一番多かった回答は、80%に下がったという回答で、次に多かったのが生産性が変わらないとする100%という回答に。また、全回答の平均値をとると「91%」となった。

次に、この生産性が下がったと感じた要因を生産性が100%のまま変化していない回答を除外し、生産性が100%より上がった回答を「生産性アップグループ」、100%より下がった回答を「生産性ダウングループ」としてまとめ、比較した。

■職種による生産性の変化

職種による差があるのかを比較した。特徴的だったのは、技術職(IT系)においては明確に生産性が上がり、営業職と技術職(IT系以外)の職種でも若干だが、生産性が上がっている。営業では、ウェブミーティングの普及により、訪問が減ったことが生産性アップにつながった可能性も。

逆に大きく生産性が下がったのが、「販売・サービス職」と「専門職(コンサルティングファーム、専門事務所、監査法人)」と「総務」だった。

■​業種による生産性の変化
業種による比較では、目を引いたのは「IT系」だけでなく、「不動産・建設系」と「マスコミ系」「商社系」も生産性アップグループの方が割合が多かったこと。 逆に、「サービス系」の生産性ダウングループの方が割合がかなり多かったのが目を引く。

ただ、職種に比べると、業種による割合差は比較的小さい。

■テレワーク頻度による比較

テレワーク頻度による生産性への差を調べた。そうすると、テレワーク頻度が週に3回以上だと生産性アップグループの方が割合が多い。

特に毎日テレワークという場合、生産性アップグループの割合が33%に対して、ダウングループが17%とほぼ倍の割合差が。

■生産性に影響する理由

テレワーク時の生産性に影響する理由を3つまで複数回答してもらったところ、「テレワークする環境」が一番多く、次いで、「テレワーク環境を整えるITツール&通信ツール」「テレワーク時にコミュニケーションしやすい仕組みや環境」という順番に。

次に、このテレワーク時の生産性に影響をする要因を比較。そうすると、生産性アップグループでは、「テレワーク環境を整えるITツール&通信ツール」と「テレワークするための周辺機器」「個人の対応能力」などが要因と考える割合が多い。

逆に、生産性ダウングループでは、「テレワーク時にコミュニケーションしやすい仕組みや環境」や「上司とのコミュニケーション」が要因と答えた割合が多くなった。

つまり、コミュニケーションをとりながら仕事をする人は、生産性が下がりやすく、人とコミュニケーションをあまりとらず、個人で仕事をこなしていける人は、生産性が上がったと回答した人が多かった。

このことから、コミュニケーションをとりながら仕事する職種は、気軽にコミュニケーションをとれるツールを導入したり、上司とコミュニケーションの場を積極的に作るといった対策を、また、個人で仕事ができる職種には、ITツールやPC、ネットワーク環境を整える対策が有効だ。

今回のアンケート結果を踏まえて、職種に応じたテレワークの環境を整えたい。

調査期間:4月16日 ~4月22日
調査対象者 居住地1都3県、年齢20~59歳まで、205人
「ICTオフィス相談室」:https://ardent.jp/rentoffice-consultation-center/

(田原昌)