日本伝統しまなみ海道沿いに、「旅館」の新たな表現した『Azumi Setoda』オープン

心地よい潮風、青く穏やかな海、色鮮やかな樹木や柑橘類に包まれる瀬戸田。そんな風光明媚な土地に、新しい日本の「旅館」を表現した「Azumi Setoda」がグランドオープン。

Photo Tomohiro Sakashita

Azumi Japanは、新しい旅館「Azumi Setoda」および銭湯付帯の旅籠「yubune」を、3月1日に尾道市瀬戸田にオープン。

瀬戸内海のしまなみ海道沿いにあり、この土地に根付く古き良き伝統を尊重しつつも、旅館としては新しい現代的な要素を多く取り入れている。日本文化の新しい表現としての旅館の在り方を、世界的なホテリエであるAdrian Zecha(エイドリアン・ゼッカ)と共に提案していく。

■伝統と現在、そして未来へとつながる旅館
旅館「Azumi Setoda」は客室に加え、庭園、あずまや、ダイニング、ラウンジ、ギャラリー等で構成。別棟の銭湯付帯の宿泊施設「yubune」には銭湯とサウナ、湯あがりラウンジ、客室が備わる。

建物は、京都を拠点とし伝統的な日本建築を主とする六角屋・三浦史朗氏の手によって、瀬戸田の地に約140年佇む邸宅「旧堀内邸」の貴重な建築様式を残しながら丁寧に改装。木や石、土といった自然の生きた素材と、瀬戸田ならではの潮風、日差し、気候などとの兼ね合いが丁度良いバランスで呼応する空間となっている。

Photo Tomohiro Sakashita

ダイニングでは中央のカウンターを囲むようにテーブルが配され、家庭的なおもてなしを受けるようなプライベート感がありながらも、ほどよい公共性も感じられる空間だ。また「あずまや」は個々が静かに瞑想することもできる、余白のある場所と位置付けている。

檜の心地よい香りに包まれる各客室には、個別に設計された坪庭が息づいている。また、旅館内に置かれる数々の上質な家具は、地元の土井木工(広島県府中市)との共同制作によるものだ。

■地元の旬な食材を堪能
「Azumi Setoda」では、まるで堀内邸が客を招いた時に振舞うような、家庭料理または宴会料理といった側面を持つ食事を提供。地元の旬な食材、特に魚介類や柑橘類、野菜を主に使いながら、素材と向き合ったメニューを考案する。

繊細な小皿料理から活気のある大皿料理まで、数々の美しい器に盛り付け。旧堀内邸に保管されていた多くの貴重な食器類も受け継いでおり、時の重なりを感じられるだろう。

Photo Max Houtzager

■銭湯付帯の宿泊施設「yubune」
旅館棟の向かいには、別棟の銭湯付帯の宿泊施設「yubune」が同時に開業。

銭湯部分は宿泊客のみでなく、ビジター利用も可能。季節に合わせて瀬戸田ならではのレモン風呂や塩の湯体験、サウナも利用できる。

Photo Tomohiro Sakashita

伝統を守りながらも新しい旅館「Azumi Setoda」で、瀬戸田の良さを発見してみたい。

住所:広島県尾道市瀬戸田町瀬戸田269
料金: Azumi Setoda:約65,000円(税・サ別、銭湯入浴込み、朝食込み)〜
yubune:約20,000円(税・サ別、銭湯入浴込み、軽い朝食込み)〜

Azumi Setoda:http://azumi.co/setoda
yubune:http://azumi.co/yubune

(田原昌)