王室や貴族も愛した、ウィーン名店のスイーツみやげ

オーストリアの首都・ウィーンは華やかな街だ。ハプスブルク家の長い統治のお陰か、カフェとスイーツ文化には目を見張るものがある。

日本でも城下町には美味しい和菓子屋があると言われているが、まさにウィーンも同じ。貴族達の目と舌を楽しませる為に、切磋琢磨したものだろう。

せっかくなので、ウィーンのお土産は名店のスイーツにしたい。そんな時にオススメのものを選んでみた。

まずはやはり、「ウィーンと言ったらこれ!」という代表の「Sacher Torte(ザッハトルテ)」。ホテルザッハが元祖なのでそこで手に入れよう。

型崩れせず、意外と日持ちがするので日本に持ち帰ることが可能。大きさも様々あり、木箱に入っているので潰してしまう心配もない。ウェイトレスなどの衣装を着た、ホテルザッハのキャラである可愛いテディベアと一緒に持ち帰れば、喜ばれること間違いなしだ。

日本でも有名なチョコレートの店「Demel(デメル)」。猫が描かれた小箱に行儀良く並ぶ、「Katzenzungen(猫の舌を象ったチョコレート)」が一番有名ではあるが、これは日本でも手に入るので他のものを選びたい。

そこで、持ち帰りやすいという事も含めてオススメなのが板チョコ。ビターやミルク、ヘーゼルナッツ入りのものなどがあり、包装紙には貴族達が描かれ、色遣いも絶妙で素敵だ。

もうひとつの名店は「Gerstner(ゲルシュトナー)」。「k.u.k. Hofzuckerbäcker」と書かれており、王室御用達菓子店である事を誇りにしている。ちょっぴり重たそうなチョコレートケーキから、鮮やかな色遣いのカップケーキなどが並ぶ。そんな中で珍しくて持ち帰りやすいものが「Kandierte Veilchen」という、砂糖漬けされたスミレだ。

青いベルベットに金の縁取りがなされた豪華な箱には、シシィ(エリザベート皇妃)の肖像画が。ウィーンの人々に愛された彼女が好んだという菓子である。

深く落ち着いた紫色をしており、噛んでみるとほんのりと花の香りが口に広がる。シャンパンに入れるのも美しいとオススメされた逸品だ。

箱も包装も凝っており、旅の思い出として取っておける名店のスイーツたち。王侯貴族もウィーンの人々も愛した味を是非どうぞ。

(田原昌)