日本酒好きならみておきたい。酒どころ西宮の「白鹿記念酒造博物館」

西宮は日本一の酒どころ灘五郷のうち西宮郷と今津郷のふたつを擁する。

西宮神社付近に湧く六甲山系の良質な伏流水「宮水」がおいしい酒造りに一役買っているのだ。「宮水」はすっきり辛口で芳醇な「男酒」と言われる灘の酒造りに欠かせないものとなっている。

酒蔵通りとその周辺には酒造会社の直営ショップ・レストランなどがあり、日本酒好きにはたまらない地区だ。

昔ながらの酒造り・酒に関する資料を展示する「白鹿記念酒造博物館(酒ミュージアム)」を見学してみよう。

記念館の入口にある大きな「酒林」が目を引く。大きさは直径約90センチ、重さは推定で約100キロ。

新酒が完成したことを知らせる杉玉ともいわれる酒林は濃い緑から赤茶色へと変わっていく様子が酒の熟成度合いを表すのは多くの方がご存じだろう。

入口から館内に入るとエントランスホールにひな人形が飾られている。

記念館では企画展として3月5日まで節句の人形の展示を行う。所蔵のひな人形は歴史の感じられるものが多く見ごたえがある。館内は写真撮影禁止で写真が撮れるのはエントランスホールのみ。

3月21日からは春季特別展として花見の場に欠かせない酒食、花を詠(よ)んだ詩、花の名所等に関する美術品・資料などが展示される「笹部さくらコレクション展『HANAMI』」が始まる。

記念館と酒蔵館は共通券で見学できる。

酒造館は長屋門をイメージした入口に「酒」の文字が書かれた幕がかかる。

入館して半券を提示すると来館記念の清酒をいただいた。

明治時代の手作業で行われていた酒造りの様子が原寸大の蔵人の人形と当時使用されていた道具で再現され、「酒造り唄」が流れる中の順を追って展示された日本酒造りの行程が興味深い。

全国の美しい盃を展示した酒器コレクションのコーナーは目の保養。

「震災を記憶する」と書かれた部屋には阪神淡路大震災で被災した酒蔵の写真や壊れた樽などの展示があり復興まで多大な苦労があったことを偲ばせる。

道を隔てたショップには酒かすや奈良漬などの食品から化粧品やお菓子まで酒造りから生まれた商品や酒器などが多数揃う。

限定の商品に心惹かれるのは筆者だけではないだろう。

 

住所:兵庫県西宮市鞍掛町8-21

白鹿記念酒造博物館 公式サイト:https://www.hakushika.co.jp/museum/

 

(小椚萌香)