立ち止まって眺めたい、フランス文化が香るモントリオールの教会群

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モントリオールはカナダ第2の都市であり、ケベック州の中心ともなっている。

もともとフランス領だったため、他の州とは違ったヨーロッパ的な美しさが味わえる街だ。

そんなモントリオール市内には、壮麗な教会がいくつも建てられている。内部の美しさもさることながら、ユニークなものもあるので紹介したい。

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「Basilique Notre-Dame(ノートルダム教会)」は、フランス本土でもいくつか建てられている代表的なカトリック教会だ。

観光の中心地である旧市街にあり、美しいブルーのステンドグラスでも有名。夜のライトアップもブルーに統一しており、不思議な雰囲気を醸し出している。

教会内はガイドツアーで案内してもらう。ゴシック様式の荘厳な内装となっており、巨大なパイプオルガンはカナダ国内最大級のものである。

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奥の礼拝堂もぜひ見て欲しい。正面の銅製のパネル以外はすべて木でできているという技に、日本人なら親しみを覚えるのではないだろうか。

組木細工のような天井に、木彫りによって描かれるキリストの生涯。ガイドツアーはこの礼拝堂で解散となるので、ゆっくりと見て回る事が出来る。

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ノートルダム教会から旧港の方を歩いて行くと、「Chapelle Notre-Dame-de-Bon-Secours(ノートルダム・ド・ボンスクール教会)」がある。

こちらは場所柄、航海の安全を願って漁師達によって建てられた教会となっている。特徴的なのは天井からミニチュアの船がつり下げられている事だ。

モントリオール最古の石造りの教会で、こぢんまりとしていながらステンドグラスも美しい教会である。

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旧市街を離れ、街の中心部までやって来ると急に高層ビルが建ち並ぶ現代的な場所に達する。

このビル群の中で静かに佇んでいるのが、「Cathédrale Marie-Reine-du-Monde(世界の女王マリア大聖堂)」だ。

大聖堂は、ローマのサン・ピエトロ大聖堂を模して建てられたもので、堂内はまさにサン・ピエトロと同じ装飾になっていた。

祭壇の金色の天蓋に、モントリオールの歴史を描いた天井画。人々は静かな祈りを捧げている。

しばし歩き回るのを止めて、その荘厳な雰囲気に包まれるのもいいかもしれない。

(田原昌)