ロンドンで世界初となる光合成する人工バイオリーフが開発され、今後の宇宙進出やあらゆる場所での酸素供給に大きな期待が持たれている。宇宙の無重力環境では地上の植物はうまく育たないため、長期の宇宙ミッションでは効率的な酸素供給が課題の1つとなっている。
そんな中、ロイヤル・カレッジ・オブ・アート大学の卒業生であるジュリアン・メルキオッリ氏が光合成する人工バイオリーフを開発した。ベースとなるのは、シルクの原材料である生糸(蚕の繭)で、タフツ大学のシルク研究室と共同で開発された。
生糸から抽出したタンパク質には分子を安定させる驚くべき性質があり、このタンパク質の素材に植物から抽出した葉緑体を注入する。生糸のタンパク質の性質によって葉緑体が閉じ込められ、人工の葉として機能するという仕組みとなっており、光を当てれば、植物と同様に水と二酸化炭素から酸素が生成される。
この人工バイオリーフの使用例として、まず身近なものでランプのカバーなどが挙げられている。
このカバーはメルキオッリ氏が実際に使用しており、インテリアとしてだけではなく健康の面でも効果が期待できそうだ。将来的な使用例では、ビルの外壁としてのプランも挙げられており、例えば大きなビルの換気装置にナチュラルエアフィルターとして採用すれば、外から取り込んだ空気を酸素添加した空気に変えてビル内に送り出すことができる。[youtube]https://www.youtube.com/watch?v=hU-T0ht2OdQ[/youtube]
この人工バイオリーフは地球内だけには留まらず、最終的には宇宙での長期滞在や他の惑星に設置することで、酸素供給システムへの応用が実現される事を目標としている。
この発明が今後人類の進歩に繋がることを祈るばかりだ。
(Lion-Maniacs)