伊勢神宮につながる江戸情緒の街「おかげ横丁」を堪能する

江戸時代、人々が一生に一度は参拝したいと願った伊勢神宮。

伊勢志摩サミット時の厳重な警戒体制も解け、伊勢神宮とその周辺も元の賑やかさを取り戻した。

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伊勢神宮は内宮と外宮があり、外宮からのお参りが古くからの習わし。

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外宮と内宮のお参りが済んだら、内宮前のおはらい町に立ち寄ろう。食事処や土産物店などが軒を連ね、中でもおはらい町の中央付近にあるおかげ横丁は、駄菓子屋あり、紙芝居あり、体験教室ありで参拝客で賑わっている。

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江戸から明治期の伊勢路の建築物を移築などで再現された情緒あふれる町並みで、おはらい町にある銀行や郵便局も町並みにしっくりと馴染んだ造りなので見逃せない。

食べ歩きや土産物の物色は旅の楽しみのひとつだ。

伊勢の銘菓といえば「赤福餅」。形は伊勢神宮神域を流れる五十鈴川のせせらぎをかたどり、餡につけた三筋の形は清流、白いお餅は川底の小石を表している。

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赤福本店は明治以来130年の建物が、ずしりと歴史を背負っているようだ。

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店内にはお座敷席や畳敷きの腰かけがあり、イートインにはお茶も出していただける。できたての赤福餅は柔らかく餡もサラリと口どけがよい。

夏場は限定の「赤福氷」を販売。抹茶蜜のかき氷の中に赤福餅が隠れている。氷の中に餅では硬くなりそうであるが、赤福氷用に作られた赤福餅なので硬くならず美味しくいただける。

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お伊勢参りは午前5時からできるので、赤福本店も毎朝5時に店を開けるそうだ。頭が下がる思いである。

もうひとつ忘れてはならないのが伊勢うどん。伊勢うどんは、三重県伊勢市を中心に食べられるうどんでたまり醤油に鰹節やいりこ・昆布等の出汁を加えた黒く濃厚なつゆ(タレ)を、軟らかく煮た極太の緬に絡めて食べる。

コシの強い讃岐うどんに対し、伊勢うどんは徹底的にコシをなくした極太麺。麺を茹でる時間が非常に長く、通常のうどんが15分程度に対して1時間弱ほども茹でるそうだ。

やわらかな食感は好みが分かれるところだが、癖になりそうな美味しさだ。

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日本一小さな造り酒屋「伊勢萬 内宮前酒造場」にも立ち寄りたい。店頭では、清酒「おかげさま」や「老緑」などを直販し、その場でいただくこともできる。

ビール好きには「伊勢角屋麦酒」。伊勢のオリジナル地ビールとともに1年を通して牡蠣料理がいただける食事処だ。

他にも名物てこね寿司やお団子専門店、カフェ等々、メニューを見て歩くだけでも楽しい店舗が満載のおはらい町である。

(小椚萌香)