自動車におけるデザインの重要性。これまでもそして今現在、そしてこれからもその重要性は増すことはあっても、なくなることはないだろう。そして我々の生活の中における自動車の重要性もだ。
普段自動車を利用していない人であっても、生活の中で自動車を利用している。それは物流だ。現在の物流はトラック輸送が主であり、誰も自動車ナシでは生きられないのが現実だ。
しかしカーデザイナーを志望する数が年々減っているという。なぜか?
ウェブ、アニメの人気上昇
ここ昨今の傾向としてウェブ、アニメ、雑貨、グラフィックのデザインの人気が高いという。
これは日本の教育機関全般の傾向で、関係者によるとここ20年で20%~10%まで落ち込んでいるという感触らしい。さらに悪いことに2018年問題、18歳人口が減少、2018年の65万人から2031年には48万人にまでなり、私大はおろか国公立大学まで潰れると予測されるほどだ。
このような状況において、日本人のカーデザイナーがいなくなってしまうのではないかと危惧されるのも無理からぬ話だ。
カーデザインはグローバル
日本において、自動車業界というのは世界的に有名な基幹産業である。
全世界の人が各メーカーの名前、トヨタ、ニッサン、ホンダ、スバル、ミツビシ、ダイハツ、ヤマハ、スズキ、カワサキを知っている。日本人を見たことがなくても、日本製自動車、バイクに触れているという外国人も多い。
筆者自身、外国旅行でなんどとなく「日本の自動車は最高だ」「エンジンがいい」と言われたほどだ。つまり日本の自動車産業はすなわち、世界で通用するグローバル産業である。
さらにカーデザイナーは腕一つ、実力社会である。日本人であるかどうか、ではなくよいデザインができるかどうか、だけで決まるため、世界の名だたるメーカーやデザイン工房で日本人が活躍することも可能だ。カーデザイナー自身がグローバルな職業といっていいだろう。
カーデザイナーになるには?
カーデザイナーを志望する数が減っているというのは、志す人にとっては朗報だ。というのもライバルは一人でも少ない方がいいからだ。しかし教育環境という面では難しい側面もある。切磋琢磨する環境は必要だからだ。
ネット社会になって久しい今日、カーデザインをネットで学ぶ機会もある。それがカーデザインアカデミーである。
講師はこれまで世界で活躍した現役デザイナーが担当。テキストと動画による教材配信、生徒の課題提出に対してきめ細かい添削、アドバイスを通じてスキルを磨くことができるという。添削・指導内容は他の生徒のものも見られるため、切磋琢磨することがネットを通してできる。いわばクラウド教育といってもいいだろう。
今現在他の仕事をしている人でも、このネット教育であれば仕事をしながらでもカーデザインを学ぶことが可能だ。改めて美術大学や専門学校に行く必要もない。
夢を追いかけろ
ではカーデザイナーとはどういった経歴をもった人がなるのだろうか。
実は人様々、色々なバックグラウンド、経歴を持ったユニークな人材が多い。カーデザインアカデミーを主宰する仲宗根悠氏の著書「Ignition」では19人のデザイナーのインタビューを通し、その生き様を浮き彫りにしている。
昔は情報がなく、カーデザイナーになるのに苦労した時代。今は情報が溢れすぎており、カーデザイナーになるのを忘れてしまう時代。
しかし夢を追う人にとって、ネットの海は新しいチャンスを与えてくれる。なぜカーデザイナーにならないのか? 夢を追うのは今からでも遅くない。
(野間 恒毅)