江戸の浮世絵師・葛飾北斎のアートを西陣織などで表現した企画展を長野県「北斎館」で開催

絵師でありデザイナーとして江戸時代に活躍した葛飾北斎によるデザイン集を中心に、小紋柄を施した反物や着物などを展示する企画展「インフルエンサー 北斎」を、1月25日(土)〜4月6日(日)の期間、長野県小布施町にある「北斎館」にて開催する。

浮世絵作品を紹介する従来の展覧会とは異なり、北斎の作品を製品として紹介するイベントだ。

「葛飾北斎」の作品を伝統的な製品で表現

同展では北斎が江戸時代に手がけたデザイン集『新形小紋帳』『今様櫛キセル雛形』のほか、国内の工房協力のもと作品の絵柄が織られた西陣織の帯や伝統的な染めの技法で表現した反物・着物などを展示、紹介する。

「西陣織あさぎ美術館」「小紋屋高田勝」「亀田富染工場/Pagong」「東京の久米繊維工業」「宮城県気仙沼の気仙沼ニッティング」の職人たちが「北斎」をテーマに、丹精込めて作り上げた作品を鑑賞する貴重な機会となる。

ものづくりを通して北斎の魅力に迫る

同展の展示は第一章から第四章までの構成。

第一章は「江戸のインフルエンサー 北斎」。北斎のテザイン集に着目し、何のために、誰のために作品をつくったのかを紹介する。

葛飾北斎『今様櫛キセル雛形』キセルの部

葛飾北斎『今様櫛キセル雛形』キセルの部

葛飾北斎『今様櫛キセル雛形』櫛の部 上

葛飾北斎『今様櫛キセル雛形』櫛の部 上

第ニ章は「北斎作品を織る」。京都の⻄陣織あさぎ美術館協力のもと、精緻な織物で北斎の浮世絵を表現する。日本最古といわれる⻄陣織の歴史、制作過程、将来の展望などを紐解く。

⻄陣織あさぎ美術館 ⻄陣極細織額装「富嶽三十六景 凱風快晴」

⻄陣織あさぎ美術館 ⻄陣極細織額装「富嶽三十六景 凱風快晴」

⻄陣織あさぎ美術館 ⻄陣極細織額装 「富嶽三十六景 山下白雨」

⻄陣織あさぎ美術館 ⻄陣極細織額装 「富嶽三十六景 山下白雨」

⻄陣織あさぎ美術館 ⻄陣極細織丸帯「富嶽三十六景」

⻄陣織あさぎ美術館 ⻄陣極細織丸帯「富嶽三十六景」

第三章は「北斎作品を染める」。京都の小紋屋高田勝、⻲田富染工場/Pagong協力のもと、北斎の浮世絵の特徴でもある「北斎ブルー」を表現した繊維作品や、デザイン集から採用した小紋柄の反物・着物などを紹介する。

⻲田富染工場/Pagong 北斎アロハシャツ「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」

⻲田富染工場/Pagong 北斎アロハシャツ「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」

そして、第四章は「北斎作品を編む」。東京の久米繊維、宮城の気仙沼ニッティング協力のもと、「北斎作品はものづくりの希望になり得る」をテーマに、各工房のさまざまな出来事や歴史、思いを交えて紹介する。

久米繊維工業 Tシャツ「百物語 こはだ小平次」 Stylist: Toshihiro Oku, Photographer: Ayao Yamazaki

久米繊維工業 Tシャツ「百物語 こはだ小平次」 Stylist: Toshihiro Oku, Photographer: Ayao Yamazaki

学芸員によるギャラリートークも開催

さらに、2月8日(土)、3月15日(土)に北斎館の学芸員によるギャラリートークを開催する。各回14時〜、参加費無料(予約不要。要入館券)。

「北斎館」50周年記念特設サイトを公開

1976年に開館した北斎館は2026年に50周年を迎える。これを記念して「50周年記念特設サイト」を公開した。同サイトでは、50周年に向けて行う記念事業や国内外のさまざまな取り組みを発信する。

現代のアートシーンでも多大な影響を与え続ける北斎の新たな魅力に触れてみよう。

インフルエンサー 北斎(Hokusai the Influencer)
開催期間:1月25日(土)〜4月6日(日)
会場:北斎館
所在地:長野県上高井郡小布施町大字小布施485
開催時間:9時〜17時(館受付は閉館30分前まで)
入館料:大人1,000円
休館日:会期中無休
特設サイト:https://hokusai-kan.com/exhibition/4804/

PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000016.000116693.html

(hachi)