今年も兵庫県丹波篠山市が誇る「ぼたん鍋」の季節がやってきた。新鮮な猪肉と地元の季節野菜と一緒に、味噌でとトロトロになるまで煮込んだ「ぼたん鍋」は絶品だ。
丹波篠山市には、ぼたん鍋や猪肉を使った料理を賞味できる飲食店がたくさんある。この機会に冬の同市のグルメの代表「ぼたん鍋」を味わってみよう。
名産の猪肉を使用した郷土料理・ぼたん鍋
全国ブランドの丹波栗・黒豆・山の芋などの名産品で有名な丹波篠山市。実は日本三大猪肉の名産地でもある。その猪肉を使った郷土料理が「ぼたん鍋」だ。
同市の飲食店で扱う猪肉は、天然の猪を使用していることが特徴。丹波栗などの木の実・丹波松茸・穀物を食べ、冬を越すために必要な分だけの脂肪をつけているので、脂っこくなく、さっぱりとした肉になる。
その猪肉を地元産野菜とともに味噌で煮込んだ「ぼたん鍋」。煮込めば煮込むほどに柔らかくなる猪肉は、あっさりしているのにコクがあり、噛むほどにその味わいが深くなる。
明治に始まるぼたん鍋は100年フードにも選出
「ぼたん鍋」の歴史は古く、明治時代に遡ると言われる。当時、同地に駐屯していた陸軍歩兵部隊が、捕獲した猪肉を料理屋に持ち込み、味噌仕立ての鍋として供されたのが始まりだとか。
その美味しさに感動した兵士たちが、丹波篠山の猪肉の美味しさを郷里で語ることで広まったともされている。
1931年に篠山市商工会の前身団体が、民謡・篠山小唄の歌詞を募り、その四番に初めて、「ぼたん鍋」という言葉が登場した。
そして、1945年頃、地元の老舗料理旅館が「ぼたん鍋」という名前から、猪肉を牡丹の花に似せて盛り付け、提供するようになった。こうして、「丹波篠山のぼたん鍋」の名が全国に広がっていった。
「丹波篠山のぼたん鍋」は、2007年には、農林水産省主催の農山漁村の郷土料理百選の兵庫県を代表する料理として選定。さらに、2022年に文化庁が認定する、100年フードに選出された。
100年フードとは、文化庁が多様な食文化の継承・振興への機運を醸成するため、地域で世代を超えて受け継がれてきた食文化を、文化庁とともに継承していくことを目指す取り組み。同市の「ぼたん鍋」は有識者から特に評価の高かった食文化に与えられる、有識者特別賞を受賞した。
丹波篠山市では、11月15日(金)に狩猟が解禁となり、本格的な「ぼたん鍋」シーズンがスタート。数年前からの豚熱の影響で、市場に出回ることがない丹波篠山市産(兵庫県産)の猪肉。しかし、市内約40店舗で「ぼたん鍋」を提供するので、各店の出汁・味噌・食べ方の違いを現地に赴いて楽しもう。
丹波篠山市ふるさと納税の返礼品にも出品
猪肉・ぼたん鍋は、兵庫県丹波篠山市へのふるさと納税の返礼品としても出品している。直接、丹波篠山市を訪れることができない人は、ふるさと納税を通じて「ぼたん鍋」を賞味することもできる。
寄付金は、丹波黒の生産振興をはじめとする「農の都としての農業振興に関する事業」などに活用するとのことだ。
豊饒な土地ゆえに美味しい食物の宝庫と言われる丹波で、冬の時期にしか味わうことのできない「ぼたん鍋」。命をいただくという感謝の念も込めて味わってみたい。
丹波篠山市
丹波篠山市公式サイト:https://www.city.tambasasayama.lg.jp/
丹波篠山市ふるさと納税サイト:https://www.city.tambasasayama.lg.jp/soshikikarasagasu/burandosenryakuka/furusato/5395.html
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000030.000127657.html
(高野晃彰)