国内外の現代アートを鑑賞。渋谷の新しい美術館「UESHIMA MUSEUM」のオープニング展

今年6月にオープンした渋谷の「UESHIMA MUSEUM(ウエシマ ミュージアム)」では、「オープニング展~現代アートで未来とつながる新たな視点~」を開催中。

「同時代性」をテーマに、国内外の現代アート作品の数々を展示している。

今回、同展の会期を2025年3月末まで延長することになったので、この機会に訪れてみては。

歴史ある建物を利用した、新しい美術館

渋谷駅から徒歩10分の「UESHIMA MUSEUM」は、コレクションのオーナーである植島幹九郎さんの母校でもある「渋谷教育学園」の敷地内に位置する。

同美術館の建物は1988年に設立され、当時の英国首相であった故マーガレット・サッチャー氏同席のもと開校式が行われた「ブリティッシュ・スクール・イン・東京」が利用していた建物を、リノベーションして開館した。

さまざまなテーマに沿って展示される現代アート

同展では、コレクションの多様性を紹介すべく、階ごとに異なる視点で展示構成を行っている。

異なる世代の表現が、時代を超えて呼応

地下1階では、異なる世代のアーティストが混在しながらも、世代を超えた開拓精神を見ることができる作品を展示。

絵画における抽象と表現への探究心をテーマとしており、時代を超えて呼応する姿を感じてみよう。

同時代の表現と個の表現世界をみる

象徴的な名和晃平氏の作品の先に、アーティストごとに区切られていた1階から、階段に続くのは杉本博司氏の作品だ。

その先の2階には、インターナショナルなアーティストたちのそれぞれの世界観が広がる部屋が続く。

チームラボ、村上隆氏などが並ぶほか、ドイツ現代写真を代表する写真家の作品も展示。メディアや表現手法、国や地域を越えながら交差する現代の表現が楽しめる。

日本人女性画家が見ていた風景の表現

3階では、世代の近い日本人女性作家の絵画が展示されている。

近い場所、同じ時代に生きていても、その人が見ている風景とそこから描き出される心象は異なる。絵画に残るその筆致の先には、作品を描き続けてきた作家の姿が浮かんできそうだ。

変わるものと消えゆくものの美しさ

部屋の中を飛び交う飛行機、小さな部屋から世界の広がりを思う憧憬のまなざしとその夢の儚さを思わせる、さわひらき氏の「home/home(Absence)」から始まる4階は、変化や揺らぎ、そして時の重なりの中で消えゆくものの美しさに焦点を当てている。

ここでは光や形体、その素材などの関係性から生まれる表現の世界を垣間見ることができる。

不透明性と透明性を兼ね備えた多層的な絵画

5階では、油画中心の日本の抽象表現の時代の中で、アクリル絵具を用いた絵画を探究してきた松本陽子さんの大型作品を展示している。

彼女は事前の計算や下絵を避け、自由と直感を解放し、身体の中に蓄積された経験が導く動きから、さまざま輪郭と色調を生み出してきた。

国や地域、そして時代を越えたアーティストたちの多彩な表現と、その背後にあるそれぞれの物語へと想像を巡らしてみよう。

UESHIMA MUSEUM オープニング展
会期:開催中~2025年3月末
会場:UESHIMA MUSEUM
所在地:東京都渋谷区渋谷1-21-18 渋谷教育学園 植島タワー
開催時間:11:00〜17:00(最終入場16:00)
休館日:月曜(祝日の場合は開館、翌平日休館)
入館料:1,500円(税込)
日時指定チケット購入:https://ueshima-museum.com/#area-3

PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000139029.html

(田原昌)