京都|日本庭園から着想を得た、織物とインスタレーションを楽しめる展示会が開催

京都のアートギャラリー「HOSOO GALLERY」が、日本庭園と西陣織をテーマにした展示会「庭と織物――The Shades of Shadows」を12月7日(土)より開催する。

同展では、京都の庭園から着想を得た織物と映像や音のインスタレーションにより、光や影の美しさと時間の移ろいを表現する。京都を訪れる機会があれば合わせて足を運んでみては。

「庭と織物――The Shades of Shadows」が開催

「庭と織物――The Shades of Shadows」では、日本庭園と能楽の研究者である原瑠璃彦氏、建築デザインスタジオ「ALTEMY」、そしてHOSOOの西陣織職人がコラボレーション。日本庭園をテーマにしたインスタレーションを公開する。

HOSOO GALLERYは、この展示会のために原氏の「庭園アーカイヴ・プロジェクト」と連携。原氏は庭園アーカイヴ・プロジェクトの中で、長い歴史の中で多様な展開を遂げてきた日本庭園を取材し、新たな解釈と表現を見出してきた。

両者は同展のために、HOSOO GALLERYを運営する細尾社の織物工房「HOUSE of HOSOO」の坪庭を12ヶ月にわたり3Dスキャン。アーカイブを構築した上で、絶えず変化する庭の姿を織物で表現すべく約3年にわたり試行錯誤を続けたという。

庭園と織物には“自然”という共通点がある

庭園と織物は、古くから多くの文化圏に存在する。また、どちらも“自然の要素を再構成する”という共通点がある。

例えば有名な「枯山水庭園」をはじめとする日本庭園は、長い年月の中にあっても変化しない石を基盤にしつつ、池や水流、樹木、草花を随所に配置することで四季折々の表情を楽しめるよう工夫している。

一方で織物も、自然素材を使い糸を作って染め上げ、自然に由来する紋様を取り入れることで独自の価値を築いてきた。

庭における石が変わらぬ存在であるように、織物の経糸は基盤として。草木のように異なる色合いは緯糸として織り込むことで、織物に表情を作り出している。

独自の箔糸を用いた織物に注目が集まる

「庭と織物――The Shades of Shadows」の織物には独自の箔糸が使用されており、緯糸には特定の色がない。鑑賞者が特殊な照明の下で視点を変えると、初めて色が浮かび上がるユニークな仕組みだ。

この箔糸は、HOSOOが東京大学筧康明研究室やZOZO NEXT社と2020年から進めてきた共同研究「Ambient Weaving」による成果物なのだそう。

この箔糸により、織物がアートへと変化。映像や音と合わさることで、時間の移ろいや光と影、動と静が交錯する不思議な世界観を作り出す。

これまで見たことのない“織物の美”に触れたい人は、足を運んで損はない。

庭と織物――The Shades of Shadows
会期:12月7日(土)〜3月16日(日)
開館時間:10時30分〜18時(入場は閉館の15分前まで/祝日と年末年始を除く)
会場:HOSOO GALLERY
所在地:京都府京都市中京区柿本町412
入場料: 無料

PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000075071.html

(IKKI)