芸術の秋、新国立劇場は、その新たなシーズンの開幕を飾るべく、スイス・アルプスの山村を舞台に結婚をめぐる愛のもつれを描くロマンティックなオペラ、ベッリーニ「夢遊病の女」を上演する。
待望の新国立劇場初上演となる同演目の公演日程は、10月3日(木)・10月6日(日)・10月9日(水)・10月12日(土)・10月14日(月・祝)となっている。
オペラ新シーズンのオープニングを飾る「夢遊病の女」
新国立劇場のオペラ新シーズンのオープニングを飾るのは、ベッリーニ「夢遊病の女」だ。オペラの華“ベルカント・オペラ”ならではの優美な音楽を、極上のアーティストを揃えて届ける。
「夢遊病の女」のストーリーは、スイスの小さな村で、結婚を迎えるアミーナとエルヴィーノ。お忍びで村にやってきた領主の跡取りロドルフォ伯爵が投宿した宿屋を、夢遊病のアミーナが訪れ、無意識のまま彼のベッドで寝入ってしまい、村人たちを驚愕させる。
不実を疑い結婚をやめると言い出したエルヴィーノと、これを機によりを戻そうとするリーザ。ロドルフォ伯爵はアミーナの潔白を証明しようと奔走する。そんな若き恋人たちの愛のもつれを描く、とびきりロマンティックなオペラだ。
叙情的な音楽の宝庫で、甘く情感豊かな旋律はベッリーニならではの美しさ。オペラ界の大スター、アントニーノ・シラグーザ氏やシュトゥットガルトの歌姫クラウディア・ムスキオ氏ほか、豪華メンバーが出演する。
また、日本人キャストも、妻屋秀和氏・谷口睦美氏・伊藤晴氏・近藤圭氏と実力派揃いだ。
そして、英国ロイヤルオペラなどで活躍する、気鋭の演出家バルバラ・リュック氏の孤独な女性アミーナの心理にフォーカスした現代的な演出も見どころの一つだろう。
同演目は、合唱の役割も重要で、オペラの合唱の魅力が余すところなく活かされている。新国立劇場が誇る合唱団による、起伏に富んだ音楽とともに、彼らがアミーナを取り巻く村人たちとなって、物語を動かす存在感の大きさにも期待したい。
指揮はイタリアオペラの名匠マウリツィオ・ベニーニ氏
指揮は「トスカ」の伝説的名演に続き、イタリア・オペラを知り尽くす名匠マウリツィオ・ベニーニ氏が担当する。
新国立劇場で指揮した「リゴレット」「トスカ」では、歌手にたっぷりと歌わせ、オーケストラを存分に鳴らし、情熱的な演奏で聴衆の心を鷲掴みにして劇場を熱狂させ、リピーターを続出させた。
同氏ならではの絶妙な呼吸と劇的な演奏は、イタリア・オペラの真髄を伝えるものだ。さらに、メトロポリタン歌劇場や英国ロイヤルオペラなど、世界の著名劇場でベルカント・オペラの指揮を任されたその演奏技術は、歌手・オーケストラ双方の音楽、とりわけ旋律の美しさを際立たせる手腕が絶賛されている。
同氏は、今回の公演でも日本の観客に「最もイタリア的」なベルカント・オペラを紹介すると意気込んでいるという。
今秋、オペラパレスに響く、極上のアーティストによるベルカント・オペラ「夢遊病の女」。芸術の秋を満喫しに、オペラ鑑賞に出かけよう。
新国立劇場 2024/2025シーズンオペラ 開幕公演 「夢遊病の女」
公演日:10月3日(木)18時30分・10月6日(日)14時・10月9日(水)14時・10月12日(土)14時・10月14日(月・祝)13時
会場:新国立劇場オペラパレス
所在地:東京都渋谷区本町1-1-1
料金:S席 29,700円・A席 24,200円・B席 17,600円・ C席 11,000円・D席 7,700円・当日のみZ席 1,650円
公式サイト:https://www.nntt.jac.go.jp/opera/
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000841.000047048.html
(高野晃彰)
※料金は税込