ダイムラーとBMWが非接触充電の分野で統一規格を採用するための共同研究を行うと発表した。
コレが実現すれば、電源プラグを刺さなくても車両のバッテリーに充電可能となり、スマートなカーライフが送れることになる。また、日本のような住宅事情ではイタズラなど、保安上も安心感がありメリットは大きい。
わずか数年前まで非接触充電の実用度は「携帯電話程度」といわれてきたが、この分野もかなり研究が進んでいる。以前、日産は走行中に充電可能なシステムの研究を報道陣に公開したが、実用化するには技術的な問題の他に行政の協力が必要になる。ドイツ勢はリアルにスマートグリッドの次の一手を握ろうとしているのだ。
具体的にはパーキングスペースの地面にコイルを埋め込み、駐車中にワイヤレスで充電するシステムを実験中だ。いまのところ伝達可能電力は3.6kWで、i8なら2時間以内でフルチャージ可能だというから、すでに十分な実力を備えているといえるだろう。
将来的には約2倍の7kWの能力を目指している。今後、車両に搭載される電池の容量はさらに増えていく方向にある。ビジネス上も車両と充電設備のパック売りが可能となるだろうし、先陣を切れば世界統一規格も見えてくる。
EUでは、2020年までに新車1台あたりのCO2排出量を平均値で95g/kmに設定し、規制を強化する方針を打ち出している。弩級のスポーツカーも、名だたる高級車も、否応なくこの流れを受け入れなければならない。よって、EVやプラグイン・ハイブリット車は増える一方だ。
今後、どのような技術的ブレーク・スルーが表面化するのか、興味は尽きない。