余計な要素を削ぎ落とし、徹底的にシンプルを追求したロエベの2023年秋冬プレコレクションキャンペーン。

“世界のキタノ”として海外にも熱狂的なファンをもつ北野武氏ら11人が、写真家ユルゲン・テラー氏のポートレートに登場した。その強烈な作品群は、見る人を射貫くようなエネルギーを放っている。

ロエベとユルゲン・テラー氏のコラボレーション

このキャンペーンは、ロエベとユルゲン・テラー氏とが継続して行ってきたコラボレーションの一環だ。

今回は俳優やキュレーター、シンガー、モデルなど、あらゆる属性からキャスティング。「多少の状況演出がありながら」とは言いつつも、気負わない自然な姿で写真に収められている。

「生の視線、乾いたユーモアのセンス、身体とポーズに対する彫刻的アプローチ」を際立たせてミックスしているという。

各ジャンルで才能を発揮する11名の被写体

被写体は北野武氏をはじめとし、俳優のオーブリー・プラザ氏、マイハラ・ヘロルド氏、ルース・ネッガ氏、マレー・バートレット氏、ソノヤ・ミズノ氏、音楽家のデヴ・ハインズ氏、モデルのシャオ・ウェン・ジュ氏、アーティストのナイリー・バグラミアン氏、ク・ジョンア氏、キュレーターのハンス・ウルリッヒ・オブリスト氏だ。

それぞれの写真は野外で撮影されているが、ユルゲン・テラー氏自身のアーカイブ作品を大きな支柱で支えて背景として使っている。再文脈化された写真と野外のセットとのコントラストは、ユーモラスで少し不条理な緊張感を生み出す。

また、写真にはパズルやパセオ、フォントトートなど、ロエベを代表するバッグが新たなバリエーション、カラー、サイズで登場する。

たとえばハンス・ウルリッヒ・オブリスト氏は、エレファントバッグをカメラに見せている。

オーブリー・プラザ氏はコンクリートの前でパセオ サッチェルを持つ。

シューズにはロエベを象徴するキーディテールを随所に備える。たとえばソノヤ・ミズノ氏が履くトイブーツの、オブジェ・トゥルーヴェのヒールと花びらのようなペタルトゥや、マレー・バートレット氏が履くブラッシュ・スエードのチェルシーブーツの誇張したトゥ。

プレコレクションが表現するのは、ロエベの還元主義の精神、つまり要素を削ぎ落とし、基本形を際立たせたシンプルさの探求だ。

ポーズやシチュエーションは粗野でありながら遊び心にあふれる。端正なフォルム、巨大なリボンや突き出たボディなどの大胆なディテール、そして彫刻的な本質主義が交錯するプレコレクションのシルエットを反映している。

ユルゲン・テラー氏のポートレート写真は、還元主義的でありつつも豊かな表現力とエネルギッシュな勢いで、あらゆるものに命を吹き込む。ロエベのデザイン精神、ユルゲン・テラー氏の写真表現、11人のきらめく才能からなる印象的なキャンペーンだ。

PR TIMES：https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000053.000010711.html

（SAYA）