超小型EVを活用したスマートシティの実証実験がフランスでスタート

本年10月より、一人乗りの「TOYOTA i-ROAD」と二人乗りの「COMS」の2種類の超小型EV70台とEDFによる約30ヶ所の充電ステーションを投入し、セルフサービスのカーシェアリング実証実験が、グルノーブル市、グルノーブル都市圏共同体、シテ・リブ社、EDFならびにトヨタの参画のもと、3年間実施されることが公表された。

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これまでも将来モビリティやスマートシティなど、生活や都市交通をより快適なものとするプロジェクトが話題に上ることは多かったが、その具体例はまだあまり存在し ないのが現実である。しかし今秋、この理想はグルノーブル都市圏内において実現されようとしている。

交通機関の情報ネットワークと連携した、この新しいシステムは、シテ・リブ社による本カーシェアリングサービスに組み込まれ、従来の返却利用に加えて、ワ ンウェイ利用、つまり乗り捨ても可能となる。マルチモーダルな移動、とりわけコンパクトな駐車スペースのみで十分な小型EVによる移動と、トラムやバス、 鉄道などの公共交通機関の連携を促進させることを目指している。よりフレキシブルに、時間をより節約しつつ移動できるように、最終目的地と公共交通機関の 最寄り駅との間の数キロ程度の移動、いわゆるラストマイル移動を可能とし、交通渋滞の緩和や、都心部の大気環境の改善に貢献する。

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ある調査結果によると、欧州における平均的な通勤時間は40~50分であるという。公共交通機関を利用する通勤者の数は増えているが、その大多数が最終目 的地まで15分以上、歩かなければならないというのが現状だそうだ。それをこの革新的なセルフカーシェアリングであるCitélib by Ha:mo”が大きく変化させるようとしている。

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例えば、交通機関を使用したのち徒歩の場合では、オフィスまで15分必要でも、小型EVを最寄駅などから利用すれば、その分移動時間をさらに短縮することが可能となるのだ。また小型EVの連絡は、スマートフォンからの予約と支払が可能で、貸出と返却のEVステーションは市内に30か所が設けられており、利便性もしっかりと考慮されているのだ。

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現在、市民は既に仮登録が可能で、この夏までに登録を行えば、10月の利用の際に使用できるクーポンが発行されるという。フランスのみならず欧州でも画期的といわれるこのプロジェクト。どのような効果が得られるか、各方面から注目されている。