食を通じて海洋環境問題を考える「伊勢志摩の海のパエリア」を、東京・渋谷のパエリア専門店「XIRINGUITO Escribà(チリンギート エスクリバ)」が3月27日(月)から提供している。
私たちの食卓を支える、美味しい海の恵み。しかし近年の地球環境変化により、身近な食材が姿を消したり、別の生物が増えすぎたりといった異常な事態が生じているという。その現実を“食”で表現する画期的な企画だ。
食と環境問題を結ぶ「EAT to KNOW」プロジェクト
三重県東部の伊勢志摩地方は、風光明媚なリアス式海岸の景勝地であるだけでなく、豊かな生態系が育まれる漁場でもある。
近海では伊勢海老を捕食するマダコ、マダコを捕食するウツボ、ウツボに隠れる伊勢海老という共生の三角関係がバランスを保ってきた。
ところが、さまざまな地球環境の変化によりマダコが減少し、ウツボの個体数が増加。エサを求めたウツボが伊勢海老を捕食し、伊勢海老の水揚げ量が著しく低下するという事態が起こった。
この異常事態に危機感を抱いた人々によって、「海のギャング」とも呼ばれるウツボを食材として活用し、海のバランスを取り戻す試みが始まった。
手がけるのは当地で冷凍業・漁業を営む石川隆将氏と、「EAT to KNOW(イート トゥ ノウ)」プロジェクト。
「EAT to KNOW」とは、食を介して環境問題にフォーカスするトランジットジェネラルオフィス社のプロジェクト「FARMER⇄YOU(ファーマーユー)」と、アーティストユニット「In-yo(陰陽)」の協業企画だ。今回の取り組みは、その第一弾となる。
衝撃的なビジュアルで訴える「伊勢志摩の海のパエリア」
コラボレーションメニューを味わえるのは、東京・渋谷でバルセロナ発の本格的なパエリアを提供する「XIRINGUITO Escribà」。
アカザ海老、赤海老、アサリ、ムール貝、白身魚、イカなどをふんだんに使用した同店のシグネチャーパエリア「エスクリバパエリア」と、伊勢志摩近海の魚介類を組み合わせ、「伊勢志摩の海のパエリア」として登場する。
もともとウツボ・マダコ・伊勢海老で構成予定だったが、マダコの水揚げがほぼ0になった今、あえてマダコを外して生態系の破壊を伝える。
視覚的にこの問題を表現するべく、キービジュアルは「In-yo(陰陽)」フォトグラファーの石川寛氏が撮影。
ウツボがパエリアパンをぐるりと囲む様子を通じ、すべてがウツボに取り込まれている現状をセンセーショナルに表現した。
およそ2名分となるMサイズ7,300円(税込)、4名分となるLサイズ14,600円(税込)で、通常のランチ・ディナーコースにプラス1,800円でもアレンジ可能だ。
テレビやインターネットニュースで見かけても、どこか遠い世界の出来事に感じられてしまう海洋環境問題。しかし、食という誰しも無関係ではいられないトピックを通じて、問題を提起する試みだ。
濃厚な魚介出汁の美食から、伊勢志摩の海に思いを馳せる時間はいかがだろうか。
XIRINGUITO Escribà
所在地:東京都渋谷区渋谷3-21-3 渋谷ストリーム3階
営業時間:11:00~23:00
席数:87席
公式サイト:http://xiringuitoescriba.jp
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000188.000040062.html
(SAYA)