アウディは米国フロリダ州の高速道路を使用して、交通渋滞の際にドライバーを支援する自動運転システムの開発を開始した。 「アウディは自動運転システムの開発を進めており、すでに多くの運転支援技術を提供している。」とアウディAGの開発研究担当取締役であるウルリッヒ・ハッケンベルク博士は話す。2009年、アウディは自動車メーカーとして初めて自動運転試験を米国ユタ州のボンネビル・ソフトフラッツで実施。翌2010年には、米国パイクスピークのヒルクライムレースにおいて、アウディは自動運転技術を搭載した「TTS」で参戦。約20kmの山坂道を27分かけてゴールするという偉業を達成している。
今回「A7スポーツバック」を使用して開発される新技術は、時速60km以下の交通状況で、周りの車両をモニタリングしながら、自動的に加速や減速、ステアリング操作を行うというもの。さらに渋滞が解消した場合や、高速道路の終点に到着した場合は、車がドライバーに運転操作をするように促すという。
開発中の新技術は、超音波センサー、前後レーダー、トップビュー・カメラ、レーザースキャナー、フロントカメラ等、合計22のセンサーがコンスタントに集めた情報を、自動運転システム用コントロールユニット「zFAS」が高速で処理をする。これにより車両周辺の状況を正確に把握することによって実現している。このような高度な処理を行うには、ラゲッジルームを占める大きさのコントロールユニットが必要だった。しかし「zFAS」はタブレットPCと変わらない程の小型化を実現。「zFAS」の登場により、近い将来実現するであろうと思われていた自動運転技術の量産化に向けて重要な一歩を踏み出したといえる。
https://www.youtube.com/watch?v=Z7QXAebLmd0