東京・新宿にてアーティスト・浜田浄氏の大規模個展「Ebb&Flowー続くあしあとー」を開催

浜田浄氏の約60年にわたる画業の変遷を見るチャンス。

東京・新宿区にある「√K Contemporary(ルートKコンテンポラリー)」にて、浜田氏の初期の版画作品から新作までを展示する大規模な個展「Ebb&Flow―続くあしあと―」が2月25日(土)から3月25日(土)まで開催される。

浜田浄氏の大規模個展「Ebb&Flow ―続くあしあと―」

本展では、地下1Fから2Fまでの3フロアに渡り、浜田氏の初期の版画作品や、1980年代に発表したドローイング、そして90年代以降に同氏が「削る」「引っ掻く」「重ねる」といったさまざまな手法を用いて描いた作品群を展示する。

Drawing Floor(2), 1983 鉛筆、紙 浜田浄「記憶の地層 ー光と影ー」(2020年 √K Contemporary)展示風景

Drawing Floor(2), 1983 鉛筆、紙 浜田浄「記憶の地層 ー光と影ー」(2020年 √K Contemporary)展示風景

浜田氏の創作活動は1960年代に版画から始まった。黒い面に赤く浮かぶ線。自身の心象風景をミニマルに落とし込んだ版画作品で、数々の賞を受賞した。

しかし、浜田氏は作品の工程が自身の手で完結しないことに違和感を覚え、1980年代に鉛筆と紙を手にし、最もシンプルな素材を使って線表現への挑戦を始めた。

ここから、多種多様な手法を用いた表現が創出されていく。何層にも塗り込んだ絵具を引っ掻く、削る。そして木材を積み重ねる。

浜田作品は常にその手法が刷新され、新たな表現へと変化していく。しかし、水が形を変えながらも本質を変えないように、大きな流れの中で浜田氏の姿勢や思想は一貫している。どの作品にも、浜田氏自身の“描く”という行為、そして作品が完成するまでにどれほど表現にこだわったかが表出しているのだ。

絵を通し、鑑賞者はきっと途方もない時間と浜田氏の行為の反復に驚嘆するに違いない。

浜田作品の一部を紹介

続いて、期間中に出展を予定している作品の一部を紹介しよう。

17-F-1、2005 油彩、キャンバス、紙

17-F-1、2005 油彩、キャンバス、紙

4-12-24、2022  アクリル、キャンバス

4-12-24、2022  アクリル、キャンバス

3-3-30、2021 アクリル、油性マーカー、キャンバス(撮影:MGMフォートサービス)

3-3-30、2021 アクリル、油性マーカー、キャンバス(撮影:MGMフォートサービス)

5-2-9、 2023 アクリル、油性マーカー、キャンバス

5-2-9、 2023 アクリル、油性マーカー、キャンバス

24-6-16、2012 アクリル、合板

24-6-16、2012 アクリル、合板

3-5-12、2021 アクリル、油性マーカー、キャンバス

3-5-12、2021 アクリル、油性マーカー、キャンバス

約60年に渡り活動をしてきた浜田氏のこれまでの足跡と、そしてこれからの足跡をその目で確かめてみては。

Ebb & Flow ―続くあしあと―
会期:2月25日(土)~3月25日(土)
会場:√K Contemporary
所在地:東京都新宿区南町6
入場料:無料
公式サイト:https://root-k.jp/exhibitions/kiyoshi-hamada-ebb-and-flow/

(IKKI)

*作品は変更になる可能性がある