来年の7月、渋谷ヒカリエにて写真展「ソール・ライターの原点 ニューヨークの色」が開催される。
写真文化の発展とともに歩み続けた、ニューヨークの伝説的写真家ソール・ライター氏。同展では近年再発見された多数の未公開作品を中心に、最新の作品群を紹介する。
渋谷で「ソール・ライターの原点 ニューヨークの色」開催
2023年に生誕100周年を迎えるニューヨークの伝説の写真家、ソール・ライター氏。
渋谷にある文化施設「Bunkamura ザ・ミュージアム」では過去2回に渡り、「カラー写真のパイオニア」として彼の足跡を紹介したが、そのいずれもが大きな反響を呼んだ。
ソール・ライター氏が特に精力的に撮影に励んだのは1950~60年代のこと。彼はニューヨークに居を定め、アンディ・ウォーホル氏やジョン・ケージ氏といった20世紀の伝説的アーティストたちとの交流を通じて、その姿をカメラに収めた。
同展ではこうしたソール・ライター氏の知られざる一面が垣間見える作品を展示。さらに、複数のプロジェクションを駆使して200点を超える作品を紹介する。
ライター氏自身が作品鑑賞のフォーマットとして使用したカラースライドや大規模プロジェクションなど、さまざまな形態で作品を楽しめるユニークな展覧会だ。
写真技術の発展とともに歩んだソール・ライター氏
ソール・ライター氏は1923年12月3日、ペンシルバニア州ピッツバーグに生まれた。
1946年、同氏は画家を志し、当時通っていた神学校を中退してニューヨークへ移住。1958年にはヘンリー・ウルフ氏がアートディレクターを務める『ハーパーズ・バザー』誌でカメラマンとして仕事を始めた。その後、1980年代にかけて多くの雑誌でファッション写真を撮影。
しかし1981年、ライター氏はニューヨーク5番街にあった商業写真用の自分のスタジオを閉鎖すると、表舞台から姿を消した。
次に彼が世に現れたのは1993年のこと。カラー写真制作のため、イギリスの写真用品メーカー「イルフォード」から資金提供を受けたのだ。
2006年には、ドイツの出版社「シュタイデル」から初の写真集『Early Color』を出版。以降、ヨーロッパで大規模回顧展を開催したり、彼を主役にしたドキュメンタリー映画が公開されたりと、さまざまな活躍を見せた。
そして2013年11月26日、ニューヨークにて死去。享年89歳。2015年には、ライター氏の作品を管理を目的にソール・ライター財団が創設されている。
戦後、現代美術が大きく花開いたニューヨーク。
当時の時代背景をもとに、写真技術の発展とともに歩んだ創作の軌跡を辿るような会場構成で、生誕100年を迎えてもなお世界を驚かせ続けるソール・ライター氏の作品世界に迫る。
ソール・ライターの原点 ニューヨークの色(仮称)
会期:7月8日(土)~8月23日(水)予定
会場:ヒカリエホール ホールA
所在地:東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ 9F
公式WEBページ:https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/23_saulleiter.html
(IKKI)