今、注目される国産ワインの新しい楽しみ方を発見できるかもしれない。
“ワイン王国”と言われる山梨県において、自社ブドウ畑を有し、これまでにない新しい手法を携えた富士河口湖町初のワイナリー「7c|seven cedars winery(セブン シダーズ ワイナリー)」が始動した。一番初めのワインは、2023年の年明け頃のリリースを目指して準備を進めている。
来春以降にはワインを楽しみながらゆっくりと過ごせる宿泊施設「7c villa」の開業も予定している。
河口湖初の小さなワイナリー「7c|seven cedars winery」
「7c|seven cedars winery」では、作り手である醸造家と共に、ブドウ栽培者に光を当てたワインづくりを目指す。人のつながりや作り手の想い、風土の魅力をストレートに醸す、“小さなワイナリーならでは”の新たな取り組みが始まる。
地域を見守る河口浅間神社の御神木をワイナリー名に
富士河口湖町には、その昔、富士の噴火を鎮めるために建てられたと言われている「河口浅間(あさま)神社」が河口北岸エリアにある。
ワイナリー名は、「河口浅間神社」に1200年ほど前から立ち続け、この地の深くに根をはる巨木「七本の千年杉(御神木)」に由来。「7c|seven cedars winery」も、地域に根ざし、この地の人々に親しまれる存在にしていきたいという願いを込めた。
農家を“まるごと”ワインにするワイナリー
「7c|seven cedars winery」は、ひとりひとりのブドウ栽培者の特徴を活かし、農家を“まるごと”ワインにするというコンセプトの元、農家をよく知り、栽培者のブドウを見続けてきた醸造チームで新しいワイナリーのかたちをつくっていく。
12の農家と県内屈指の女性醸造家による醸造チーム
「7c|seven cedars winery」は12の農家と、醸造家である鷹野ひろ子氏との醸造チームで動き出す。鷹野氏は、日本ワインの造り手100人に選出された*山梨ワイン県を代表する有名女性醸造家だ。
今回、共にワイナリーをつくる12の農家は、これまで醸造家がずっと見続けてきたブドウ農家。栽培者ごとに異なるブドウの味わい・性質を十分に理解しているからこそ、農家をまるごとワインにする新たな取り組みの実現が可能になる。
宿泊施設の開業やワインづくりのストーリーを発信予定
また、今年11月頃からは、農家の紹介・ブドウ栽培者ストーリーを発信していく。さらに来春以降は「7c|seven cedars winery」で醸造されたワインを楽しみながらゆっくりとした時間を過ごすことのできる宿泊施設「7c villa」の開業、ワイン関連のグッズやマリアージュ商品を扱う併設ショップの開業を計画している。
ワイナリーツアーを含む、現地での特別な体験を含め、料理人や「旅の駅 kawaguchiko base」とコラボした各種イベントの開催も予定している。
富士山の麓に位置する富士河口湖町という地で始まり、ブドウ畑とともに育っていく小さなワイナリーの活躍を見守りたい。
7c|seven cedars winery(セブンシダーズワイナリー)
所在地:山梨県南都留郡富士河口湖町河口513-5
営業時間:9:00-16:00(ワイナリー前テラスのみ開放)
※見学は基本行っていないが予約にて相談可能
(hachi)
* 出典:美術出版社発刊『Winart』2020年10月号