日本には、まだ真の価値が知られていないモノは少なくない。
■日本産い草を使った家具がシンガポールに進出
業務⽤家具メーカー「アダル」は、100%天然国産「い草」を⽤いたサステナブルな家具コレクション「Look into Nature 〜答えは⾃然の中にある。〜」の独占代理店契約を、「オカムラインターナショナルシンガポール」と締結、10月よりシンガポールのショールームでの展示を開始した。
「Look into Nature ~答えは自然の中にある。~」
い草を使った畳の需要は年々減少する⼀⽅、メンテナンス性の⾼い⼈⼯い草や安価な中国産い草が好まれて使われる状況のなか、「伝統工芸品としてではなく産業としてあり続けたい」というい草生産者の想いに共感し、2019年より開発をスタートした高級国産い草を用いた家具コレクション。
国産い草は⾮常に⾹りが⾼く、五感で⼼地よさを感じられる希少な素材。
内部繊維の密度が⾼く、リラックス効果はもちろん湿度調整、空気浄化、悪臭物質の吸着、防汚性、難燃性など、多くの優れた機能を持っている。
従来、床や座布団など平面的に用いられてきたい草だが、「アダル」は家具メーカーとしてい草の美しさをより引き出し、現代のライフスタイルに合うデザインを提案している。
■い草家具を作り販売する社会的意義
国産い草のなかでも特に希少な高級グレードのい草を使用
収穫後に一本一本手作業で選別され、厳しい基準をクリアした耐久性・色つやに優れたい草を使用。通常は泥染めを行うが、環境と生産者の負荷を考慮し、埃の発生しない無染土い草を使用。植え付けと刈り取りには、毎年「アダル」社員が手伝いに行くという。
い草は生産過程における環境負荷が低いサステナブルな素材
い草を1ha栽培すると、生育過程で約6.5トンの二酸化炭素を吸収(削減)する。これは4人家族が生活する時に排出するCO2の1年2か月分に相当する量だ。
い草家具の販売を通してい草の栽培を増加させることで、CO2を削減し、持続可能な生産消費形態に貢献する。またい草のニーズを増やすことでい草農家の収入改善にも導いていく。
SDGsに貢献する「アダル」のい草家具の一部を紹介しよう。
葉月(Hazuki)
ー筆書きのように描く、座面から背もたれにかけての優美なラインが印象的。い草のグラデーションカラーとソファの形状の融合美を追求している。
落水(Rakusui)
急峻な地形と水の流れ、それらが一体となって形成国産天然い草される日本の美しい滝にインスピレーションされたベンチ。壁面パネルの装飾性とベンチの機能性を併せ持つデザイン。
日本のならではの素材を使った家具が海外に普及するのは素晴らしいことだが、日本に住む私たちもい草の真の価値と向き合い、考え方をアップデートしていきたい。
「Look into Nature ~答えは自然の中にある。~」ブランドサイト:https://www.adal.co.jp/lookintonature/
(冨田格)