日本が世界に誇る今治タオルづくりの礎とも言える、ボランティア活動を紹介する。
今治タオル工業組合により推進されるジャパンブランド「今治タオル」は、愛媛県今治市と緑豊かな郷土づくりを目指すために、市と企業の2者協定を交わし、森林づくりCSR活動「今治タオルと水の森」を推進している。今回、10月24日(日)に第2回のボランティア活動を実施した。
■今治タオルづくりに欠かせない自然の循環を守るため
今治タオルづくりに欠かせない豊富な軟水を生み出してくれる蒼社川。その源である高縄半島の森を大切にしたいという今治タオル工業組合の思いがきっかけで、森林づくりCSR活動「今治タオルと水の森」は2019年11月27日に締結式を実施し、スタートした。高齢化による人手不足が原因で荒廃する森林を健全な状態に保ち、緑豊かな郷土づくりを目指すため、今治市と今治タオル工業組合が2者協定を交わし活動している。
豊かな森は、保水力から「緑のダム」とも言われており、洪水を緩和(洪水軽減)し、水資源を貯留(渇水緩和)する水源涵養機能がある。その森に浄化された水は、今治平野の農作物や瀬戸内海の魚を豊かにする根源であり、今治タオル産業の発展にも繋がる。そんな素晴らしい自然の循環を、未来永劫に渡り、守っていきたいと考えているという。
■コンセプトは「森はみんなのエネルギー」
第2回は、「森はみんなのエネルギー」をコンセプトに、伐採や植林といった木材としての利用だけではなく、焚き火や炭、ペレットなど熱エネルギーとしての利用や、森の恵みを食べて体のエネルギーとする食育体験などのコンテンツを、「一般社団法人 をかしや」および「TORICO」と共同で実施した。参加者からは、「竹を細かくすると虫のベッドになるんだ~!」といった、自然に対する関心の声などが上がった。
実施日時 :10月24日 9:30~14:00
参加対象者:組合員およびその家族
参加者 :6社13名
実施内容 :
①竹害問題について学び、竹を伐採する
②伐採した竹を組んだ中に竹のチップを入れ、カブトムシの幼虫を育てるためのカブトムシランドを作る
③森の中で体を動かして遊ぶことで自然を体感する、森のてらこや
④森のめぐみを生かした食育体験、テーマは「ヘンゼルとグレーテル」
■今治からサスティナブルな世界をつくる産業へ
今治タオル工業組合・正岡裕志理事長は「現在、今治タオル産地では「今治という地域から、サスティナブルな世界をつくる産業へ」と銘打って各種CSR活動に取組んでいる。その活動は4分野(地球環境、教育、労働環境、パートナーシップ)で13事業に及び、今年度は生産現場で発生する資源ロスの削減方法の模索として端材アップサイクルなどを展開している。「今治タオルと水の森」ボランティア活動は、社会貢献の大切さを学ぶと共に日本人特有の自然観や美意識、豊かな感性を育み、将来のタオルものづくりを担う人財育成にも繋げる取組みとなる。今後も様々な取組みを推進する中で、社会からより信頼されるタオル産地を目指す」とのコメントを寄せている。
一人ひとりの意識と取り組みが、サスティナブルな世界をつくるということを胸に刻みたい。
今治タオルと水の森
所在地:今治市玉川町龍岡下能智
今治タオル工業組合 :http://www.itia.or.jp
(suzuki)