山間の温泉地でゆったり過ごす夏の宵。
■黒川温泉で楽しむ日本の夏
熊本県の「黒川温泉」は、雄大なパノラマが広がる阿蘇地域の奥深い山間地に位置する。自然環境と調和した景観づくりと露天風呂を巡る“入湯手形”で、「黒川温泉」にしかない世界観を作り上げてきた。
黒川温泉では8月31日までの期間、「黒川温泉 湯涼み」を開催している。「湯涼み」は、新型コロナの影響により“日本の夏”を楽しむ機会が減っているなか、都会から離れた阿蘇の温泉地で日本の夏の文化を体験できる黒川温泉の新しい取り組みだ。
■黒川風鈴と和火で湯涼み
「湯涼み」では、旅館や商店の軒先に飾り付けた風鈴が奏でる涼やかで美しい音色を楽しみ、夜には、日本の伝統である“和火”国産線香花火を体験できる。
夏の音色“黒川風鈴”に耳をすます
うだるほどの暑さのなか、温泉街にながれる川のせせらぎとかすかに聴こえる涼やかな風鈴の音色。温泉街を通る風の音が、温泉で火照った体を冷ましてくれる。
風鈴の歴史は奈良時代に始まる。その音が聞こえる範囲は聖域とされ、災いから守ってくれる魔除けとして使われていた。
湯涼み期間は、温泉街にある旅館や商店の軒先、玄関に特製の「黒川風鈴」を飾り付ける。「黒川風鈴」は、“鐘”は真鍮、“短冊”には山里の恵みでもある小国杉を活用したオリジナル。昨今続いている自然災害から営みを守り、自然への感謝と鎮守の思いを込めている。
その凛と響く涼やかな音色は、聴く人の心と温泉街一帯を浄化してくれるかのようだ。
日本の伝統文化“和火”に親しむ
夏の風物詩である花火。黒川温泉では、人流を避けて温泉街の丸鈴橋下の川縁でゆっくり線香花火を体験する機会を設けた。線香花火は全て、今では希少な存在となった国産のもの。職人の手によってひとつひとつ丁寧に作られている。
国産の線香花火は、火先を斜め上に向けてやさしく息を吹き掛けながら楽しむ花火だ。線香花火のほか、和火、洋火と約8~10種類の花火を体験できる。
「本物の線香花火~日本の伝統“和火”に親しむ」は、8月20日(金)~29日(日)の黒川温泉宿泊者、一日最大4組限定の企画だ。
海外旅行に行けない夏だからこそ、思いっきり日本情緒に浸ってみるのも非日常を堪能できそうだ。
黒川温泉観光旅館協同組合
所在地:熊本県阿蘇郡南小国町満願寺6594-3
黒川温泉公式サイト:https://www.kurokawaonsen.or.jp/
黒川温泉 湯涼み:https://www.kurokawaonsen.or.jp/event/yusuzumi/
(冨田格)
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