コロナ禍によって、換気の重要さが改めて認識されている。
■施設内の換気状況を多点モニタリング
CMエンジニアリングは、IoTによるCO2濃度測定をベースとした、施設内の換気状況を無償で診断するサービスを開始した。
新型コロナウイルスの蔓延により、室内の換気の必要性が注目されている。
ウイルス感染の抑制には、室内の換気が有効であり、特に不特定多数の人間が集まる店舗、病院、公共施設、遊戯施設、ホールなどは積極的な換気により「密」にならない状態にすることが必要だ。
しかし、市販のCO2測定機器は、施設内に測定器を設置することにとどまっている。効果的な換気を実現するためには、さらに踏み込んだ有効な対策を検討する必要があり、換気推進の課題となっている。
CMエンジニアリングサービスは、施設や店内の換気状況を2週間ほど多点モニタリングして、換気状況の診断と、改善案を提案するというもの。
■アフターコロナに向け安全安心の社会を実現
CMエンジニアリングサービスは、IoTを活用したCO2濃度の多点での遠隔監視システムを構築しており、これを活用することによってCO2濃度の時間推移を確認することが可能だ。
室内の換気ができているかどうかは、CO2濃度の測定によって知ることができるが、室内のCO2濃度は在室人数や室内の換気の状態によって変動する。そのため、一定の期間、室内の複数個所でのCO２濃度を測定し、推移を分析することが必要となる。
CMエンジニアリングサービスが開発した電池駆動で長時間動作、遠隔監視が可能なIoT対応CO2濃度測定機器を施設に設置して、インターネットを通じてCMエンジニアリングサービスのサーバーに測定値を蓄積。そのデータをもとに、分析を行い、CO2濃度の時間推移、在室人数の推定、改善手段の提案を行う。
CO2濃度の時間推移グラフ例
CMエンジニアリングサービスは、CO2センシングデータによる在室人数の推移の解析、機械学習と予測による自動換気制御システムの開発を進めている。
開発の過程で得られている知見を、早期に幅広く活用してもらうことが、アフターコロナの時代に向けた未来の安全安心の社会の実現に有益であると考えて、無償での換気診断サービスとして提供することになったそうだ。
この無償換気診断サービスの期間は、2021年9月末までを予定している。
現状がどうなっているのかを解析して理解することから、改善への歩みは始まる。
申込ページ：https://telesentient-iot.com/free_ventilation_check_service_information/
（冨田格）