英国のスポーツカーメーカーであるマクラーレン・オートモーティブは、4月1日に都内にて、同社の最新モデルである「McLaren 650S」の日本販売を発表した。「McLaren 650S」が、今年3月のジュネーヴモーターショーでのワールドプレミアを飾ったことは、まだ記憶に新しい。そんなモデルが、いち早く日本に上陸を果たした。
McLaren 650Sは、現行モデルである「McLaren 12C」や既に完売してしまった限定モデル「McLaren P1」に続く新たなラインナップモデルで、両モデルの優れた特性を引き継がれているのが特徴だ。ボディは、12C同様に、クローズドボディのクーペと、電動バリアブルルーフを備えるスパイダーを用意。そのデザインには、「P1」ゆずりのエアロダイナミクスが積極的に取り入れられており、近未来的なフロントマスクを持つ。これはスポイラー機能をデザインに取り込むことでダウンフォースを生み出すように設計されている。車名のSはスポーツを意味しており、優れたハンドリング、トランスミッション、ドライバビリティ、そしてクルマとの一体感を実現すること目標として開発されたモデルであることを象徴するものだ。
パワーユニットは、マクラーレン社製の3.8LのV8ツインターボを搭載。車名の650の文字が示すように、その最高出力は650PSを発揮する。その結果、パワーウエイトレシオは、500PS/1トンというクラス最高レベルを達成。そのパフォーマンスは、0-100㎞/h加速はわずか3.0秒。クーペの場合、その最高速度は333㎞/hに達する。もちろん、スパイダーを選んでもその最高速度は、329㎞/hとなっており、ボディによる性能の差はごくわずかである。その圧倒的なパワーを紡ぎだすトランスミッションは、他のモデル同様に7速デュアルクラッチ式のSSGであるが、「McLaren 650S」のものには、新たな機能が加えられている。その中でも特徴的なのがトラックモードでのフル加速時に機能する「イナーシャ・プッシュ」だ。これはクルマの慣性力から次のギアに変速する際のトルク脈動を引き出すもので、この手法を用いることによりエンジンの回転数が低下する前に次のギアへの変速が可能となり、強力で淀みのない連続的な加速を実現している。
マクラーレンが開発したPCCサスペンションシステムも、更なる改良を加えることでより進化させている。新しいダンパーマウントはキャビンへのノイズや振動などを抑え、乗り心地向上にも貢献。その進化した足回りにセットされる鍛造ホイールも「12C」のより軽軽量なものを採用し、専用のピレリP Zero CORSAと組み合わせされて装着されている。
インテリアも軽量化に十分に配慮されており、スタンダードは軽量なアルカンターラ素材となる。バックレスト固定式のカーボン・レーシング・シートは、「McLaren P1」同様の軽量構造を採用しており、サポート性に優れる一方、15kgもの軽量化にも貢献している。もちろん、日常やグランドツーリングに必要不可欠なナビゲーションシステムや高機能なオーディオシステム、音声コマンドシステムなどは標準装備するほか、電動ステアリングコラムやリアパーキングカメラなど様々なオプションも用意されている。驚くべきことは、ポテンシャルが向上され、快適装備を備えながらも「12C」よりもさらに軽量に仕上げられていることだ。
国内での価格は、クーペモデルが31,600,000円。スパイダーが34,000,000円となっている(消費税込)。現在、国内のディーラーは東京と大阪の2拠点のみの取り扱いとなっているが、販売は世界、日本国内共にも好調な伸びを見せており、今後、日本での販路の拡大にも大いに期待できそうだ。