築100年を超える元和紙原料問屋「松井邸」をリノベーションした文化観光施設「CASA stella(カーサ・ステラ)」が、3月29日(土)に岐阜市玉井町にオープン。和傘、提灯、照明「AKARI」の三つの“光”を軸に、伝統と革新が交差する新たな拠点が誕生する。
歴史を礎にしたローカルな営みが、いま、世界へと開かれていく。

CASA stella 2F AKARI gallery
伝統と現代が交差する、3つの「光」の物語
「CASA stella」が掲げるのは、岐阜和傘、岐阜提灯、イサム・ノグチ氏の照明作品「AKARI」に通じる“光”という共通のテーマ。かつて和紙原料問屋だった建物を活用し、和紙とともに育まれてきた伝統工芸の系譜を、ギャラリーやショップを通じて伝える。

CASA Stella 外観
その名に冠された“stella(=星)”は、旧家・松井邸の屋号「川星」にも由来するもの。川湊として栄えた長良川の風景と重ねあわせ、“光のしるべ”として文化を導く存在を目指す。
岐阜和傘、提灯、AKARI ── 空間で出会う工芸の結晶
施設内には、和傘や提灯の専門店やギャラリーが並ぶ。
全国唯一の岐阜和傘専門店「和傘CASA」では、常時60本近くの和傘が展示・販売される。単なる販売だけではなく、職人の物語を添えて紹介することで、その美意識と手仕事の魅力を浮かび上がらせる。

和傘CASA 店内
2階の「AKARI gallery」では、世界的彫刻家イサム・ノグチ氏による照明作品「AKARI」が常設展示。岐阜提灯の職人とともに生み出された“光の彫刻”が、和紙と竹をまとって柔らかな陰影を映し出す。

AKARI gallery
また、提灯の製造元「オゼキ」による「OZEKI 川原町gallery」も併設。イサム・ノグチ氏が愛した伝統技法を、現代に伝える空間となっている。

OZEKI 川原町gallery
着物・蕎麦・町家体験 ── 五感で味わう岐阜文化
施設内では、レトロなアンティーク着物をレンタルできる「ORGANキモノ」や、地元の名物“冷したぬきそば”を味わえる「冷したぬき天国 川原町店」も営業。職人の道具に囲まれた空間で、岐阜ならではの食と装いが楽しめる。

ORGANキモノ 店内

冷したぬきそば
さらに徒歩圏内の姉妹施設「長良川てしごと町家CASA」では、ミニ和傘や提灯の絵付け、和傘レンタルなどの体験プログラムも提供。職人の工房が併設されており、つくる現場とふれあうことができる。
「観光以上、日常未満」の時間を
古いものをそのまま保存するのではなく、現代の目線でアップデートしながらつなぐ。「CASA stella」は、そんな循環型の“文化観光”を体現する空間だ。
岐阜に根づく手仕事と、世界の眼差しをつなぐ新拠点。その静かな開館は、日本の伝統文化の可能性を、あらためて浮かび上がらせる機会になるかもしれない。
CASA stella(カーサ・ステラ)
所在地:岐阜県岐阜市玉井町6
オープン日:3月29日(土)
アクセス:JR岐阜駅・名鉄岐阜駅からバス「長良橋」下車 徒歩3分
定休日:水・木曜日(※一部店舗は異なる)
営業時間:店舗により異なる
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000128324.html
(山之内渉)