名品盆栽の聖地として知られる「大宮盆栽村」に隣接する、さいたま市大宮盆栽美術館。同館が、3月21日(金)にリニューアルオープンを迎えた。
庭園の再整備を中心とした今回の改修で、“盆栽を魅せる美術館”としての存在感が一層強化された。来月には、盆栽村の開村100周年という節目も控えており、この地が再び注目を集めそうだ。
鏡面の池に浮かぶ、静謐なる美
リニューアルの見どころは、庭園の中心にある池の再設計。静水部分を設けることで、盆栽が水面に映し出される“鏡面池”としてデザインされている。
さらに、鑑賞導線も大きく進化。園路だけでなく、ロビーや2階テラスなど複数の視点から盆栽を眺められる設計が施されており、立体的な“景の変化”が楽しめる空間へと生まれ変わった。
自然と調和する、盆栽庭園の新たな形
気候変動への配慮として、池の拡張と流水システムの導入、ミスト設置なども実施。酷暑時の温度上昇を抑えることで、繊細な盆栽への負担軽減も図られている。
春の新緑、秋の紅葉 ── 四季折々の風景の中に佇む盆栽の静かな存在感を、五感で堪能できる空間だ。
世界初の“盆栽美術館”という誇り
2010年に開館した大宮盆栽美術館は、世界初の公立盆栽専門ミュージアムとしても知られている。旧髙木盆栽美術館のコレクションを基盤とし、盆器や水石、浮世絵などの関連資料も豊富に展示。
さいたま市の伝統産業である“盆栽文化”を、国内外に広く発信する拠点として機能してきた。
盆栽の魅力に、いま改めて出会う
四季の風景に包まれた庭園で、名品盆栽と静かに向き合うひととき。100年の歴史を刻む大宮盆栽村とともに歩んできた美術館が、いま再び“静寂の芸術”を照らし出す。
喧騒を離れ、ゆるやかに流れる時間の中で、盆栽という小宇宙と向き合ってみてはいかがだろうか。
さいたま市大宮盆栽美術館
所在地:埼玉県さいたま市北区土呂町2-24-3
開館時間:
(3月~10月)9:00~16:30(最終入館16:00)
(11月~2月)9:00~16:00(最終入館15:30)
休館日:木曜日(祝日の場合は開館)
アクセス:JR宇都宮線「土呂駅」より徒歩5分
公式サイト:https://www.bonsai-art-museum.jp/
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000150.000140218.html
(山之内渉)