作曲家・石田多朗氏が雅楽や日本の伝統音楽を担当した「SHOGUN(将軍)」のサウンドトラックが、グラミー賞「最優秀映像作品スコア・サウンドトラック」部門にノミネートされた。
グラミー賞は、音楽業界の優れたクリエイターを称える権威ある祭典。授賞式は2月2日(日)に、ロサンゼルスのクリプト・ドットコム・アリーナで開催される。
「SHOGUN」の劇中音楽がグラミー賞ノミネート
ディズニープラス制作のドラマ「SHOGUN」は、エミー賞で史上最多受賞を記録し、さらにゴールデングローブ賞でも4冠を達成。
作品全体が世界中で高い評価を受ける中、その劇中音楽もグラミー賞ノミネートを通じて音楽単体としての価値が認められた。
いま、石田多朗氏が手掛けた伝統音楽の革新的アプローチが新たな注目を集めている。
日本の伝統音楽を世界へ。雅楽がもたらす新たな価値
「SHOGUN」の音楽には、龍笛(りゅうてき)・篳篥(ひちりき)・尺八・声明(しょうみょう)といった雅楽や邦楽器が大胆に採用され、作品の世界観を深く支える役割を果たした。
同作品の総合音楽アレンジャーを務めた石田氏は、アカデミー賞受賞作曲家アッティカス・ロス氏らが手掛けたスケッチを基に、伝統音楽のアレンジを担当。
さらに、邦楽器演奏者のキャスティング・レコーディングを指揮し、映像と音楽が見事に調和したサウンドを創り上げた。
そして、プロデューサーでもある真田広之氏が言う本物の日本を、音楽の面で実現をさせる役割を果たしたのだ。
音楽単体での世界的評価がグラミー賞ノミネートの意義
石田氏が主導した「SHOGUN」の音楽は、映像作品の枠を超え、音楽そのものとして世界的な評価を受け、それがグラミー賞ノミネートという快挙につながった。
雅楽をはじめとする日本の伝統音楽が、石田氏の革新的なアプローチによって新たな価値を提示し、世界の音楽業界に衝撃を与えたとも言える。
衰退が懸念されている日本の伝統音楽。しかし、石田氏が手掛けたこの新しい形の音楽は、世界に通用することを見事に証明した。
この成果は、日本の伝統音楽復活のきっかけとなり、その未来に希望をもたらす大きな一歩となるかもしれない。
グラミー賞ノミネートに関して石田氏は、「今回のノミネートは、私自身にとって非常に大きな意味を持つものです。しかし、この成果は私一人の力では到底成し遂げられるものではありません。」と語る。
そして「全ては日本の伝統音楽を守り続けてこられた方々、日々の稽古に励む演奏者たち、それを支え見守ってくださった皆さんのおかげです。」と述べ、今回のノミネートは日本の伝統音楽に関わる全ての人々が評価された結果だとした。
日本の音楽を現代に合った形で再構築し、新しい形で世界中に届けたいという想いを感じるとともに、授賞式でのさらなる快挙に期待したい。
石田多朗・Drifter社公式サイト:https://drftr.co.jp/?works=shogun_arrange
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000092027.html
(高野晃彰)