静岡市美術館にて「京都 細見美術館の名品―琳派、若冲、ときめきの日本美術―」を開催

静岡市美術館は、「京都 細見美術館の名品―琳派、若冲、ときめきの日本美術―」を4月13日(土)~5月26日(日)の期間で開催する。

同展では、細見美術館の膨大なコレクションから、重要文化財8件を含む104件の名品を展示。併せて、同館が所蔵する若冲の全作品も一堂に会する。

細見美術館の良質なコレクションから厳選して紹介

JR静岡駅北口から近い葵タワー3階にある静岡市美術館では、京都の細見美術館の名品を展示する「京都 細見美術館の名品―琳派、若冲、ときめきの日本美術―」を開催する。

細見美術館の収蔵品は、細見家三代により80年近くをかけ蒐集され、日本美術史を総覧するコレクションとして国内外から高い評価を受けている。

同展では、約1,000点にもおよぶ良質なコレクションの中から、重要文化財8件を含む名品104件を厳選して紹介。古墳時代の考古遺物、平安・鎌倉時代の仏教や神道美術、室町時代の水墨画・茶の湯釜、桃山時代の七宝装飾・茶陶、江戸時代の風俗画・肉筆浮世絵。そして高い人気を誇る琳派、伊藤若冲など名品を一堂に展示する。

仏教・神道美術や琳派・若冲などの名作を展示

同展のみどころを簡単にまとめると、「名品・金銅春日神鹿御正体をはじめ重要文化財8件を展示」「これぞ琳派!優美な花鳥画の世界を堪能」「全19件!細見美術館が所蔵する伊藤若冲の全作品を一堂に」となる。そうした作品は、第一章から第五章まで、カテゴリーに分けられ展示する。

「第一章 祈りのかたち」は、細見美術館を代表する名品で、4月27日(土)~5月26日(日)展示の金銅春日神鹿御正体をはじめ、優美な意匠の和鏡。また、精緻な模様が施された荘厳具や密教法具、鮮やかな彩色の仏画など、細見コレクションの原点で根幹をなす仏教・神道美術の名品を鑑賞できる。

重要文化財「金銅春日神鹿御正体」南北朝時代

重要文化財「金銅春日神鹿御正体」南北朝時代

「第二章 数寄の心」は、初代古香庵・細見良氏が、茶の湯釜の蒐集をきっかけに、数寄者との交流を深め、蒐集した茶の湯に関係する作品などを展示。特に「根来」は、昭和10年代から蒐集・研究し、茶席に用いてその普及を促した。

「根来亀甲文瓶子」室町時代

「根来亀甲文瓶子」室町時代

「第三章 華やぎのとき」は、神仏の荘厳、空間を彩る調度品など、日本美術のさまざまな「かざり」の中から、七宝で作られた釘隠しや引手、豪華な蒔絵や螺鈿が施された漆工芸品。そして、華やかに着飾り、楽しむ人々を描いた近世初期風俗画や、葛飾北斎の美人画など「かざりの美」を展示する。

葛飾北斎「五美人図」江戸後期

葛飾北斎「五美人図」江戸後期

「第四章 琳派への憧れ」では、琳派初期の俵屋宗達から江戸中期の尾形光琳。江戸琳派を代表する酒井抱一・鈴木其一。そして、近代の神坂雪佳まで、琳派を代表する絵師たちの作品を紹介する。

本阿弥光悦書、俵屋宗達下絵「忍草下絵和歌色紙『郭公』」江戸前期

本阿弥光悦書、俵屋宗達下絵「忍草下絵和歌色紙『郭公』」江戸前期

「第五章 若冲のちから」では、近年その卓越した画力が再評価されるとともに、“奇想の画家”と呼ばれ国内外で高い人気を誇る伊藤若冲の初期の作例から晩年まで、細見美術館が所蔵する全19件を一堂に展示する。

伊藤若冲「鶏図押絵貼屛風」のうち左隻(部分)寛政9年(1797)頃

伊藤若冲「鶏図押絵貼屛風」のうち左隻(部分)寛政9年(1797)頃

細見家三代にわたるコレクターの心をときめかせ、魅了した美の世界。その中から厳選した名作の数々を、この機会に存分に楽しみたい。

京都 細見美術館の名品―琳派、若冲、ときめきの日本美術―
会場:静岡市美術館
所在地:静岡県静岡市葵区紺屋町17-1葵タワー3階
会期:4月13日(土)~5月26日(日)※会期中一部展示替えあり
休館日:4月15日(月)・4月22日(月)・5月7日(火)・5月13日(月)・5月20日(月)
開館時間:10時~19時  ※入場は閉館の30分前まで
観覧料:1,400円(税込)
公式サイト:https://www.at-s.com/event/article/art/1409457.html

PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000025.000100047.html

(高野晃彰)