東京駅から徒歩約5分の位置にある「アーティゾン美術館」は、11月5日(土)~来年2月5日(日)の期間、「パリ・オペラ座-響き合う芸術の殿堂」展を開催。
国内外からの多くの展示作品などに触れ、「パリ・オペラ座」が表現してきた総合芸術の魅力を知る機会が到来した。
「パリ・オペラ座」の魅力を総合芸術的な観点から紹介
「パリ・オペラ座」は、バレエ・オペラの輝かしい殿堂として著名な劇場。創立はルイ14世による1669年に遡り、その歴史を通して台本作家・作曲家・美術家に、芸術的な進展・技術的な革新を可能にする表現を常に注文してきた。
「パリ・オペラ座-響き合う芸術の殿堂」展では、パリ・オペラ座の歴史を17世紀から現在まで辿りつつ、様々な芸術分野との関連性を示し、その魅力を総合芸術的な観点から浮き彫りにする。
同展示会では、ロマンティック・バレエ、グランド・オペラ、バレエ・リュスの時代にあたる19世紀~20世紀初頭の時期を対象にし、「フランス国立図書館」をはじめとする国内外の約250点の作品を紹介。
芸術的・文化的・社会的な視野から同劇場の多面的な魅力とあわせ、その歴史的な意味を明らかにする。「パリ・オペラ座」と諸芸術との多様な繋がりをテーマとする新たな試みは、大いに注目されるだろう。
フランス国立図書館・オルセー美術館などから来日した作品を展示
「フランス国立図書館音楽部門」には、パリ・オペラ座で上演した作品を中心に、フランスのオペラ・バレエ関係の資料を多く収蔵。本展はフランス国立図書館の所蔵する約200点をはじめ、オルセー美術館所蔵のエドガー・ドガ「バレエの授業」など、国内外から集結したオペラ座に関連する作品を紹介する。
「総合芸術」的な観点からオペラ座の魅力を紐解く
ルイ14世の時代の舞台装飾家・衣装デザイナーから、19世紀のグランド・オペラの作曲家、ロマンティック・バレエのダンサー、21世紀の演出家に至るまで、パリ・オペラ座が、あらゆる分野の創造者と連携して、どのように芸術方針を築いてきたのかを明らかにする。
エドゥアール・マネがオペラ座を描いたマネの2作品を展示
19世紀フランスの画家エドゥアール・マネは、パリ・オペラ座を題材とした作品を制作した。アーティゾン美術館では、そのうちの1点を所蔵。本展では、ワシントン・ナショナル・ギャラリー所蔵作品とともに展示する。
バレエ・オペラファンでなくても「パリ・オペラ座」の名前を知っている人は多いだろう。今回の展示会は、多くの人が「パリ・オペラ座」の創造した総合芸術の奥深さを理解できるイベントとして注目したい。
パリ・オペラ座-響き合う芸術の殿堂
会場:アーティゾン美術館 6・5階展示室
所在地:東京都中央区京橋1-7−2
会期:開催中~来年2月5日(日)
開館時間:10:00~18:00(金曜日は20:00まで)※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日・12月28日(水)~1月3日(火)・1月10日(火)※1月9日(月・祝)は開館
入館料:ウェブ予約チケット(日時指定予約制)1,800円、当日チケット(窓口販売)2,000円(ともに税込)
公式サイト:https://www.artizon.museum/exhibition_sp/opera/
(高野晃彰)
※チケットはウェブ予約を優先。当日に空きがあれば窓口での購入が可能